文化庁は5月20日、東京・中央区の三越日本橋本店の建造物を重要文化財に指定した。「我が国における百貨店建築の発展を象徴するものとして価値が高い」と評している。 三越日本橋本店は、関東大震災で被災した大正期の建物の鉄骨を生かし、1914年に完成した7階建ての建物。戦前期の商業建築を多数手掛けた横川工務所が設計しており、西洋古典様式を基調とした重厚な外観と、格調高い色彩で彩られた内装が特徴だ。吹き抜けの中央ホール、食堂や劇場などには、アール・デコ風の華やかな装飾が見られる。 意匠面の優秀さに加え、集客のための仕組みを取り入れながら増改築を重ねた点を、「我が国における百貨店建築の発展を象徴するものとして価値が高い」と評している。