以下、先日の講演のレジュメです。 2013.2.16 町田市民文学館ことばらんど 「滑稽とペーソス 田河水泡“のらくろ”一代記」展 関連講演「『のらくろ』はなぜ今も面白いのか?」 夏目房之介 1)のらくろ一代記 誕生、出世、戦後 図1 『のらくろ二等卒』1931(昭和6)年 初登場時 小さくて痩せたみすぼらしい「犬」そのもの。本名(?)野良犬黒吉 捨て犬 居眠りをして銃を盗まれたり、連隊長の講和中に寝たり、風呂を沸かすのに爆弾を使って重営倉に入れられたり、連隊内の話が続く当初には徹底的にドジな与太郎キャラだったが、戦闘が始まるとなぜかラッキーにも功績をあげ、次第に昇進してゆく。作者32歳。 図2 『のらくろ伍長』1933(昭和8)年 伍長に昇進し、栄養状態のせいか丸みを帯びて太り、目は縦長から丸に。足先も「ドラえもん」のように丸くなる。のちにイメージされる「のらくろ」造形の完成。まだ体は上
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