【井田香奈子】教育を受けた年数は、その後の年収に影響するか――。「学歴が高い方が知識もあり、高収入のはずだ」「試験重視の日本の教育は労働市場のニーズに合わず、影響ないのでは」。簡単には答えの出せない問題に、乾(いぬい)友彦・日大教授(応用経済学)と中室牧子・東北大助教(教育経済学)が一卵性双生児のデータを使って挑んだ。 教育を「投資」ととらえる経済学には、「教育の収益率」という指標がある。「教育を1年長く受けたら、賃金がどの程度上昇するか」を示す。 年収には個人が生まれ持った能力や家庭環境などの条件も影響する。このため、従来は教育の収益率の推計は困難だと考えられてきた。乾教授らは、そうした条件がほぼ同じと考えられる一卵性双生児に着目。それぞれが受けた教育、年収を比較してみた。 続きを読むこの記事の続きをお読みいただくには、会員登録が必要です。登録申し込みログインする(会員の方)無料登録