東京都港区で昨年8月、耳かき店員の女性とその祖母を刺殺したとして、殺人などの罪に問われた無職林貢二被告(42)の裁判員裁判で、東京地裁(若園敦雄裁判長)は1日、無期懲役(求刑死刑)とする判決を言い渡した。昨年8月から全国で実施されてきた裁判員裁判で初めての死刑求刑だったが、裁判官と市民の評議の結果、死刑を回避する判断をした。 裁判員らは1日午前も、裁判官との評議を再開して最終的な判決内容を確認し合った。 起訴状によると、林被告は昨年8月3日、港区西新橋の鈴木芳江さん(当時78)方に侵入。あらかじめ用意していたハンマーとナイフ2本を使って鈴木さんと、孫で東京・秋葉原の耳かき店員だった江尻美保さん(同21)の首を刺すなどして殺害したとされる。被告は起訴内容を認め、争点は量刑に絞られた。 検察側は「一方的に恋愛感情を抱いた被告が、来店を拒否され続けたことから犯行に及んだ」と指摘。残虐な方法