昭和レトロのうどん・そば自販機が現役で稼働し、NHKのドキュメント番組「ドキュメント72時間」の舞台にもなった秋田港近くの船舶食料商「佐原商店」(秋田市土崎港西)が今月いっぱいで閉店することが分かった。自販機も撤去される。 佐原商店は昭和33年、佐原孝夫社長(73)の母、千代さん(53年死去)が創業。秋田港に入港する船に食料や衣類、日用品などを届けてきた。 46年に今の場所に移転し、店頭に生麺のうどん・そば自販機を置いたところ、市民に人気となった。同型の自販機は55年にかけて量産されたが製造中止となった。故障のたびに中古品を探し、現在で4代目だ。 テレビやネットで全国的に話題になり、海外から訪れる人もいる。昨年3月に放送された「ドキュメント72時間 秋田・真冬の自販機の前で」は寒風の中、やって来る人たちの人間模様を描き、視聴者投票で昨年1年間の「72時間」の中で1位になった。 佐原