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ブックマーク / courrier.jp (196)

  • 米紙が報じる苦境「スシが大好きな日本の海から魚がどんどん減っている」 | 熱くなる一方の海水に漁師は対応できるのか

    卓には古くから魚介類が欠かせない。だが気候変動などによって海水の温度が変わり、この国の海から魚たちが消えている。米紙「ロサンゼルス・タイムズ」が日の漁業について報じた。 漁獲量の減少が止まらない日 毎年7月が終わりに近づくと、テラダ・ノリオら牡蠣の養殖業者たちは、輪っか状の針金につないだ何百枚ものホタテの貝殻を浜名湖の水中に沈める。 貝殻に付着した小さな黒い牡蠣の稚貝は成長し、およそ1年半後に収穫される。しかし牡蠣たちはまず、過酷さを増すばかりの海洋環境を生き抜かねばならない。 近年、海洋環境の悪化によって牡蠣の生産量は激減しており、日中の漁師を動揺させているのだ。 「牡蠣の養殖には100年以上の歴史があります。ですが、これほど多くの個体が死滅するのを見るのは初めてです」とテラダ(64)は言う。記録的な不漁に見舞われた3年前には、水揚げ量は例年の10分の1まで落ち込んだ。

    米紙が報じる苦境「スシが大好きな日本の海から魚がどんどん減っている」 | 熱くなる一方の海水に漁師は対応できるのか
  • 音楽が止まり、文化が殺されている─アフガニスタンの芸術家たちの苦悩 | 恐怖政治が音楽を嫌う本当の理由

    音楽家や芸術家は、怯えながら日々を過ごしている。アフガニスタンの「文化の交差点」としてのアイデンティティは、厳しい抑圧政策に耐え、生き残ることができるだろうか? タリバンの政権奪取後、命さえ危うくなった音楽家たちの苦しみを、英紙「ガーディアン」が取材した。 命を狙われる音楽家たち 2021年8月上旬、タリバンがカブールに迫った頃、アフガニスタンのソーシャルメディア上には奇妙な広告が溢れかえっていた。音楽家たちが、自分の商売道具である楽器や機材を売りに出していたのだ。 その多くは、来の価値の幾分にも満たない額で投げ売られていた。音楽をこよなく愛するアフガニスタンにありながら、買い手はほとんどつかなかった。 「過去の経験から、タリバンが我々音楽家や楽器にどういう仕打ちをするかもわかっていました。やつらは芸術や音楽を嫌悪しているのです」 こう語ってくれたのは、アフガニスタン北部出身の49歳の歌

    音楽が止まり、文化が殺されている─アフガニスタンの芸術家たちの苦悩 | 恐怖政治が音楽を嫌う本当の理由
  • 仏紙が追った『君たちはどう生きるか』公開までの10年間 | 巨匠 宮﨑駿の引退宣言から復活まで

    2023年7月14日に封切られた、スタジオジブリの最新作『君たちはどう生きるか』。2023年末には北米での公開も決まっているが、この作品をどこよりも心待ちにしているのは、公開日未定のフランスかもしれない。日での公開直前に仏紙「リベラシオン」は2ページにわたる長文記事を掲載。2013年の「引退宣言」から今作公開までの、宮﨑駿と鈴木敏夫、スタジオジブリの10年間を追った。 君たちはどう生きるか──。日アニメ界の巨匠、宮﨑駿の12作目となる最新作のタイトルである。日での公開日は7月14日。大御所から若い世代への最後のメッセージとでもいうべきものなのだろうか。 「長編映画としては、おそらく宮﨑駿の最後の作品になるのではないか」。スタジオジブリの伝説的プロデューサー、鈴木敏夫は近刊の『スタジオジブリ物語』(集英社)でそんなことを語っていた。 『君たちはどう生きるか』は、もともと1937年に出版

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  • 「1週間、同じパンツを履いています」 洗濯を放棄しはじめた人々 | 洗濯機にさようなら

    近年、環境への配慮や経済的な問題から洗濯をしない人々が増えてきているという。彼らにとって1週間同じパンツを履いたり、1枚の服を2週間着たりするのは当たり前。あなたは耐えられますか? ティムは、コロナのパンデミック中にリモートワークになったとき、服装はリラックス志向でいくことにした。それがきっかけで、衣類の洗濯にかける時間とエネルギーが負担だと思うようになった。 「2人目の子が生まれて、全体的にやることが多すぎる時期だったんです」と彼は言う。 「自分の生活から省略できるものは何でも減らしていこうと思って、それができるのが洗濯だったのです」 すでに多くの人に比べて、彼の洗濯回数は少なかった。週に1回か、ときには2週間に1回程度だったが、ティムは丸1年「洗濯機で自分の衣類を洗わない」ことを目指した。 ティムの職業はシステムエンジニア。最近の彼が洗濯をするのは、半年に一度くらいだ。 「もうオフィス

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  • 韓国のエンタメ業界が「ネットフリックスに搾取されている」ことに気づきはじめた | 制作現場の環境はいっこうに改善せず…

    ネットフリックスの大ヒット作『イカゲーム』は、同社にしてみれば「とてもコスパのいい買い物」だった。 韓国国内ではまったく買い手がつかなかった同作の脚に、ネットフリックスは賭けたのだという。 全9話完結で1話あたりの制作費は約240万ドル。米紙「ロサンゼルス・タイムズ」によれば、別のヒット作『ストレンジャー・シングス』の全制作費の約4分の1だったという。それでいて同作は6つのエミー賞を受賞し、公開初日から28日間で16億5000万時間も視聴され、ネットフリックス史上最高記録を樹立。これにより同社の企業価値は推定9億ドルまで急上昇した。 ところが、作家兼監督のファン・ドンヒョクの生活は、多少上向いたものの「大きな変化はない」。 なぜなら、同作の「知的財産権をネットフリックスに譲渡する」契約を交わしたからだ。この契約上、最初の放送後に作品が再放送される際に作家や監督、俳優らが受け取れる「ロイヤ

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  • セックス依存症の夫の浮気を、私は許さなければならないのか? | 裏切られたパートナーたちの「深すぎる傷」

    リビングの床で、とぐろを巻いた蛇のように放置された掃除機──私はそれを、我が家の崩壊を象徴するイメージとして記憶することになるだろう。 昔からこの部屋が大好きだった。南向きの大きな窓から差し込む日差しは、冷え込んだ冬の日でも私の顔を温めてくれる。でも、今日の真夏の日差しには息が詰まりそうだ。 木々の葉は完璧な輝きを見せ、空は青く澄み渡っている、そんな朝だ。外の世界はこんなにも美しいのに、私の世界はバラバラに砕け散りそうだ。 ついさっきまで、家事の分担のことで夫と喧嘩していた。あまりにもイラつくと、私はついステレオタイプ的な行動をとってしまう。電話をする彼の周りで、掃除機をかけまくるのだ。 でも、今朝は違う。彼が隣に座ってくれと言ってきた。何か大事なこと、個人的なことを話したいという。私は掃除機を床に置きっぱなしにする。 彼の隣に座り、黙って耳を傾けながら、彼の手を握る。夫は自分が10代の頃

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  • 「捕鯨再開」の権利を求めて─アメリカ先住民・マカ族「捕鯨」の戦い | 大切な伝統を守るため

    伝統を取り戻すために コククジラは毎冬、夏のあいだに餌場としているアラスカから、出産のためにメキシコのバハ・カリフォルニア半島へと約6000マイルの旅を始める。 そんなコククジラをアメリカ先住民のマカ族が捕鯨しても良いか否かが、ワシントン州の行政裁判で決まるかもしれない。 マカ族はワシントン州オリンピック半島のネア・ベイ地区に暮らしている。彼らは伝統的な捕鯨を再開し、今後10年間で20頭まで捕獲する権利を得るべく、アメリカ海洋大気庁(NOAA)に対して「海産哺乳動物保護法」の免除を求めているのだ。 政府はかつて「1855年条約」において、マカ族に捕鯨権を付与している。この条約の存在もあり、マカ族の要求は連邦政府と世界中の「部族共同体」から支持されているのだ。 1855年、当時のワシントン州知事アイザック・スティーブンスは、3万ドルと30万エーカーの土地の譲渡を交換条件に、マカ族に対して「魚

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  • ピーター・フランコパン「人類史は自然史から見れば絶え間ない失敗の歴史だ」 | 古代史が人類に教える温暖化の未来との向き合い方

    気候変動など地球環境の変化が人類に絶大な影響を及ぼすことは、いまの世界で否定しがたいだろう。だが、われわれが人類史をたどるときに、自然界からの影響をどこまで考慮してきただろうか? その影響を加味すると、人類史はどう見直されるのか? 英オックスフォード大学でグローバルヒストリーを教える歴史学者のピーター・フランコパンに、米メディア「ブルームバーグ・グリーン」が聞く。 人類はずっと地球の気候に恐怖を覚え、また取りつかれてもきた。ほぼすべての文明の創世神話が、完璧な楽園の喪失、大洪水、7年におよぶ干ばつ、あるいは容赦ない天災といった巨大な気候変動に基づいているほどだ。 だが、歴史家らは伝統的に帝国や戦争、偉大な発明といった人類の仕業に注目し続け、人類に同じくらい強烈な影響をもたらしてきた火山の噴火や過酷な冬、凶作などには見向きもしなかった。 人類史と自然史を再統合することがいまわれわれを取り巻く

    ピーター・フランコパン「人類史は自然史から見れば絶え間ない失敗の歴史だ」 | 古代史が人類に教える温暖化の未来との向き合い方
  • 教授と教え子と妻─3人をめぐる2つの裁判に米紙が見た、日本の性のヒエラルキー | 「教授にセクハラされた」と訴えた教え子は、教授の妻に敗訴した

    教授とその教え子は夕を終えると、京都の川沿いを散歩し、途中でバーに立ち寄った。 何ヵ月もの間、2人は多くの時間を一緒に過ごしてきた。教授はすでに東京の公園で彼女に一度、キスをしていた。そしていま、バーで何杯か飲んだ後、彼は彼女を自分のホテルに誘った。そこで2人は性的関係を持ったのだが、それは自分の意思に反するものだったと教え子は言う。いっぽうで、その著名な美術史の教授は、同意の上だったと主張する。 互いの認識が一致しないこの始まりから、2人は10年にわたって内密の関係を続けた。人目を忍んで会い、色っぽいメッセージを送り合い、海外へも何度か一緒に行った。 だが、時が経つにつれて教え子は、教授が2人の間の不均衡な力関係を利用したのであり、自分は2人の関係の一切に、当は同意したわけではないと考えるようになった。 ようやく関係を断ち切った彼女は、大学に正式に苦情を申し立て、教授をセクハラで訴え

    教授と教え子と妻─3人をめぐる2つの裁判に米紙が見た、日本の性のヒエラルキー | 「教授にセクハラされた」と訴えた教え子は、教授の妻に敗訴した
  • 最初の一口から地獄の二日酔いまで──専門家が明かす「アルコールの真実」 | 私たちはアルコールとどう付き合うべきか

    赤ワインはポリフェノールが含まれているから、グラス1杯なら体に良い。飲む量を控えれば、健康に害はない──世の中には、少しでもアルコール摂取を正当化しようとする言い訳が出回っているが、果たしてそれはどこまで科学的根拠に基づいているのか。 チャールズ・ダーウィンが『人間の由来』に書いたように、「多くの霊長類は……強い酒を好む」生き物だ。人間は車輪を発明する以前からすでにアルコール飲料、つまり酒の醸造をしていた。しかしながら、私たちはアルコールが脳や体にどのような影響をおよぼすのか、どれほど理解しているだろうか? 知識はかなり蓄積されている。ここ数十年のあいだに多数の研究がされ、昔から言い伝えられてきた教訓の正しさを裏付けたり、誤りを証明したりしてきた。これまでの研究で得られた知見をいくつか紹介する。 生まれて初めてのアルコール体験 酒を生まれて初めて飲んだとき、口にふくむとほぼ同時にアルコール

    最初の一口から地獄の二日酔いまで──専門家が明かす「アルコールの真実」 | 私たちはアルコールとどう付き合うべきか
  • 21世紀の「社内恋愛」心得─キャリアにも職場にも禍根を残さないために | 米英「オフィスロマンス」事情の変遷

    職場での恋愛関係は上手く行けばやる気も生産性も上がるようだが、下手をすると……。米英の「社内恋愛」事情の変遷を、米経済メディア「ブルームバーグ」がたどりつつ、その心得を識者に聞く。 ポリー・アロースミスは母を看取るため、自分の経営するIT企業を休職することになった。そこでひとりの男性従業員に休職中のことをよろしくと頼んだ。 彼女がいないあいだ、彼にやってもらう大きな仕事がひとつあった。パフォーマンスの低いスタッフのひとりを、解雇手当の支払いが必須になる期日の前に解雇することだ。彼はすぐ承諾したが、言っていないことがひとつあった。そのスタッフと密かに付き合っていたのだ。 アロースミスが数ヵ月後に復職してみると、驚いたことに、そのスタッフは解雇されていなかった。彼は自分の愛する女性をどうしてもクビにできなかったのだ。つまり、アロースミスが彼女を解雇しなければならず、しかも多額の解雇手当をしぶし

    21世紀の「社内恋愛」心得─キャリアにも職場にも禍根を残さないために | 米英「オフィスロマンス」事情の変遷
  • なぜ柄谷行人は賞金1億円超の哲学賞を受賞したのか─哲学誌「ノエマ・マガジン」編集長に聞いた | 「柄谷は、さまざまな境界を越える独創的な思想家」

    ──バーグルエン賞では、選考委員はどんな議論をして受賞者を決めるのですか。 選考委員はバーグルエン研究所から独立して受賞者の選考をしているので、選考委員ではない私は、今回の賞の選考の際にどんな議論があったのかは知りません。毎年、代わり番で6人の有識者に選考委員を務めてもらっています。2022年度の選考委員長は神経学者のアントニオ・ダマシオでした。 この哲学賞の目的の一つは、西洋の思想家だけでなく、西洋以外の地域、とくにアジアの思想家にも目を向けることです。それで選考委員会には、中国人哲学者の汪暉(ワン・フイ)と、香港出身で現在はドイツ在住の哲学者ユク・ホイの2人のアジア系の選考委員もいます。柄谷をノミネートしたのは、この2人でした。 柄谷の思想でとくに評価されたのは次の2点です。一つは、哲学が生まれたのはアテナイではなく、その前の古代イオニアの「イソノミア(無支配)」から生まれたという着想

    なぜ柄谷行人は賞金1億円超の哲学賞を受賞したのか─哲学誌「ノエマ・マガジン」編集長に聞いた | 「柄谷は、さまざまな境界を越える独創的な思想家」
  • 「信じられないほど便利」… 日本の「軽トラ」が米国でカルト的な人気を誇る理由 | 見過ごされていたニッチな市場に合致

    の自動車メーカーが世界のEV市場で苦戦を強いられる一方、米国では中古の「軽トラ」ファンが増えているという。その人気の秘密は、米国車や新車が取りこぼしているニッチなニーズを満たしているところにあると、英経済誌が報じている。 ノースカロライナ州ローリー郊外で農業を営むジェイク・モーガンは、数年前、自分が所有する土地を移動するための車両がほしくなった。 当初は、サイド・バイ・サイドと呼ばれるオフロード車両の購入を検討していた。だがある日、米農機具メーカー「ジョンディア」の車両の製品レビューを見ているときに、次のような気になるコメントを見つけた。 「軽トラを買えばいいのに」 「信じられないほど便利」 「軽トラ」とは、四輪の小さなピックアップ・トラックのことで、主に日で製造される。日では、小型車にかかる税金のほうが大型車よりも安いため、その利点を生かした車両だ。 軽トラについて調べはじめたモ

    「信じられないほど便利」… 日本の「軽トラ」が米国でカルト的な人気を誇る理由 | 見過ごされていたニッチな市場に合致
  • 「なぜ私たちだけに完璧を求めるのか」 最高峰サッカーリーグの審判たちが明かす“知られざる苦悩” | 審判は科学ではない

    選手と同じく厳しい競争社会 それは、ダレン・イングランドが自身4回目のシーズンとなるプレミアリーグに臨んだときのこと。彼は選択を迫られていた。フラム所属のミッドフィルダー、ナサニエル・チャロバーは、ニューカッスルの選手がボールを蹴ったあとだったにもかかわらず、その選手にぶつかっていったのだ。相手は地面に倒れて叫んだ。その叫びはあまりに大きかったので、アウェーで訪れていたニューカッスルファンたちのブーイングのなかでも響き渡るほどだった。 「今のは絶対レッドカードだろ!」と、私の前に座っていた古参のニューカッスルファンが怒鳴った。それは試合の流れが決まった瞬間だった──そして、イングランドのそのシーズンの運命が決まった瞬間でもあった。 プレミアリーグで笛を吹く審判たちは、競争の厳しい世界に生きている。彼らのパフォーマンスは、プレミアリーグの審判を担当する団体、プロフェッショナル・ゲームマッチ・

    「なぜ私たちだけに完璧を求めるのか」 最高峰サッカーリーグの審判たちが明かす“知られざる苦悩” | 審判は科学ではない
  • 米紙が紐解く『源氏物語』の魅力─現代日本にも通じるジェンダーと権力のダイナミクス | NYタイムズの東京支局長が読んでみたら

    世界最古の長編小説の一つと言われる『源氏物語』を、米紙「ニューヨーク・タイムズ」の東京支局長モトコ・リッチが読んでみたところ、現代日が抱える諸問題と響き合っていることに驚いたという。 2024年のNHK大河ドラマの主人公でもある作者・紫式部が1000年以上も前に著したこの物語の凄さを、彼女はどこに見出したのか──。 1000年前と変わらぬ母の想い 私が『源氏物語』という、1000年以上も昔に宮仕えをしていた一人の女官が著した、1300ページにわたる大著を読んでいたとき、娘は高校生活最後の年で、あるいはそれがきっかけだったのかもしれない。物語のある重要な場面にさしかかり、そこに詠まれた数行の和歌に、私はほとんど狼狽してしまっていた。 主人公・光源氏はたくさんいるのうちの一人、明石の君とのあいだに生まれた娘を宮中で育てるべく、彼女に娘を手放し、別の女のもとに預けるよう説得する。明石の君は、

    米紙が紐解く『源氏物語』の魅力─現代日本にも通じるジェンダーと権力のダイナミクス | NYタイムズの東京支局長が読んでみたら
  • スラヴォイ・ジジェク「私たちは、『自由』が複雑なものであることを念頭に置いておかなくてはいけない」 | 私たちはコントロールされている

    スラヴォイ・ジジェクは開口一番、「自分はファシスト」だと言った。 オンラインインタビューは、ジジェクのヘッドフォンが機能しなかったために開始が遅れた。この不慮の事態に彼は、(お互いの姿を見るための)「ズーム」と、(会話するための)電話を組み合わせて対応することを詫びると、「恥ずかしい限りです。当に申し訳ない。こうしたものを相手に私は完全なファシストになってしまう」と言った。そしてトラブルを解決しようとしながら、テクノロジーには、あれやこれやの問題がつきものだとぼやいた。 このように「テクノロジーとは馴染みにくく、よそよそしいものであると同時に、身近で便利なものでもある」というのが、まさにジジェクの新著『ヘーゲルとつながれた脳』(未邦訳)のテーマだ。 ジジェクはその著書のなかでこう問いかける──「機械につながれた脳のようなものが当に存在するようになったとき、人間の精神や主観はどうなるのか

    スラヴォイ・ジジェク「私たちは、『自由』が複雑なものであることを念頭に置いておかなくてはいけない」 | 私たちはコントロールされている
  • 米国で「リベラルアーツ大学の死」が始まった 英文学も歴史学も資本主義に抗えず | 80校以上が閉鎖または合併の憂き目に

    米国でリベラルアーツ大学の衰退が著しい。 つい最近も2月にバージニア州のメリーマウント大学が、英文学や歴史学、哲学、社会学などの専攻をなくすことを決めた。全部で10の専攻が削減されたが、そのほとんどがリベラルアーツだ。 これらの学問は人気がなく、専攻する学生が少ないからだという。講義科目としては残るが、専攻したりその学位を取得したりすることはもうできなくなる。 メリーマウント大学だけではない。 高等教育について報じるメディア「ハイアー・エド・ドライブ」の調べによれば、米国では2016年以降、87校ものリベラルアーツカレッジが閉鎖、あるいは近くの大きな大学に合併された。 死に絶える要因は二つある

    米国で「リベラルアーツ大学の死」が始まった 英文学も歴史学も資本主義に抗えず | 80校以上が閉鎖または合併の憂き目に
  • 子供たちがアルゴリズムを“批判する力”を養う米国の「AIリテラシー教育」の現場を訪ねて | MIT研究者も推奨

    精度の高い文章を自動生成できるチャットボット「ChatGPT」の誕生は、新しいイノベーションへの期待感だけでなく、急速に成長するAIへの不安ももたらした。そんななか米国では、AIとの共存を避けられない次世代のために、アルゴリズムを理解し、批判的に評価する力を身に着けるための教育が始まっている。 マリサ・シューマンは、その日いつもと同じように午前の授業を始めた。彼女は、米ニューヨークのブロンクス地区にある中高一貫の公立女子高「ヤング・ウーマン・リーダーシップ・スクール(YWLS)」で、コンピュータ・サイエンスの教師を務める。 11時半になると、エネルギーに満ちあふれた高校生たちが教室に入って来た。着席し、ノートパソコンを取り出すと、生徒たちは教室前方にある電子ホワイトボードに目を向ける。そこには、授業のテーマであるウェアラブル機器に関する質問が映し出されていた。 教師歴10年のシューマンが、

    子供たちがアルゴリズムを“批判する力”を養う米国の「AIリテラシー教育」の現場を訪ねて | MIT研究者も推奨
  • 英誌が分析、日本から海外に出稼ぎに出る若者たちが急増している本当の理由 | 問題は給料が安いだけではない

    より高い給与を求め、海外で働く日人の若者が急増している。その原因は日の給与が安いからというだけではない。背景にあるその当の理由に、英誌「エコノミスト」が迫った。 海外に「出稼ぎ」に行く若者の急増 神奈川県出身のアシハラ・マリナ(25)は、世界を見たいと思っていた。2022年4月、彼女は「ワーキング・ホリデー」プログラムを利用し、オーストラリアに移住した。この制度では、31歳未満の若者に1年間のビザが発給される。彼女は、東部の農場で4ヵ月間働き、現在はシドニーでバリスタとして働いている。 冒険のつもりで始めた海外生活だったが、それが経済的にも合理的だと気づいた。彼女は最低賃金で働いているが、その時給は時給21.38豪ドル(約1960円)と日の最低賃金の倍額だ。パートタイムで働いても、東京でOLとして下働きをしていたときよりも多くの収入を得られる。 海外で働こうとする日人がいま増えて

    英誌が分析、日本から海外に出稼ぎに出る若者たちが急増している本当の理由 | 問題は給料が安いだけではない
  • フランスで人気の“管理職トレーナー”が伝授 「会議で大事なのは最初の5分間です!」 | リーダーの孤独は運命なのか…?

    ビジネスに特化したSNS「リンクトイン」で6万人以上のフォロワーを持つコンサルタントのリュドヴィク・ジロドン。母国フランスでベストセラーとなった著書『ドリーム・チーム』(未邦訳)では450人ものビジネスリーダーを取材し、マネジメントの知見を体系的に示した。 多すぎる会議、退職を告げる部下……。悩めるマネジャー(管理職に就くリーダーや経営者)がまずすべきことは何なのか。ジロドンが仏誌に語る。 リーダーは「上から目線の専門家」ではない ──あなたのには「誰もがマネジャーに向いているわけではない」とあります。マネジャーに向いている人とそうでない人はどこで見分けられますか。 会社の規模や業種にかかわらず、どこにでも良いマネジャーと悪いマネジャーがいます。 マネジメントの基は、他人を愛することです。人々の話を聞き、彼らに関心を持つこと、彼ら自身というよりも彼らの問題に関心を持つのです。そのために

    フランスで人気の“管理職トレーナー”が伝授 「会議で大事なのは最初の5分間です!」 | リーダーの孤独は運命なのか…?