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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/keisai-dousureba (7)

  • ケインジアンが読む「そろそろ左派は経済を語ろう」 - 経済を良くするって、どうすれば

    マルキストの経済書を手にするなんて、滅多になくてね。でも、ブレイディ・みかこさんの気風の良さが好きで『そろそろ左派は<経済>を語ろう』を読んでしまったよ。筆者も齢で、まさにオールド・ケインジアンだから、資主義の擁護者になるわけだが、世の中がどんどん右へ行ってしまい、昔は保守流のど真ん中にいたのに、いつしか左に位置するようになった。国民のための経済を語らなくなったのは、右派も同じだと思うな。 ……… 筆者の信条は「経済成長を実現し、福祉国家を建設する」である。これは、高度成長期には、自民党の党是だった。今の世の中は、「経済成長はムリだから、福祉国家を抑制する」になり、果ては、「経済成長のため、福祉国家を圧縮する」なんて倒錯した主張まである。筆者は、経済成長も、少子化克服も政策次第と考えるから、敗北主義にしか思えない。若い人たちが将来を悟って達観するなんて、おかしくないか。 ポイントは、ど

    ケインジアンが読む「そろそろ左派は経済を語ろう」 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 2%成長と消費の行方 - 経済を良くするって、どうすれば

    今週は、消費活動指数と消費総合指数が公表され、前者は前月比+0.5と予想どおりだったが、後者は+1.2にもなり、ちょっと驚きだったね。家計調査の消費水準指数(除く住居等)が+1.3だったから、活動指数よりも高いとは思っていたが、予想外だった。これで、10,11月平均は、7-9月期比で+0.5になったので、12月次第であるにせよ、10-12月期の消費は、年率2%成長になる可能性が出てきた。他の需要項目も堅調だから、むろん、GDPも2%成長があり得る。「潜在成長率はゼロ%前半」と言われてきた日経済だが、3期連続の2%超成長でイメージを一新することになるかもしれない。 ……… ニッセイ研の斎藤太郎さんが、また良いレポートを出してくれた。『日経済のジレンマ~消費主導の景気回復は実現しない~』(1/12)である。内容は、景気回復期において、米国はGDPと消費の伸びがほぼ等しいのに対して、日は消

    2%成長と消費の行方 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 生存戦略としての結婚と育児の価値 - 経済を良くするって、どうすれば

    「嫁して3年、子なきは去る」は過酷だろうか。現代なら、もちろんそうだ。しかし、社会保障のない時代には、子供を持ってイエを守るだけが生きる術だったのであり、医学的にどちらに原因があるか調べられない以上、相手を変えてみるしか方法はなかった。そういう文脈で人の行動を理解しなければならない。では、現代ニッポンの「良い人がいなければ、結婚しない」という生存戦略は正しい道なのか。それは、社会保障によって、他人の子供に面倒をみてもらえる時代が続くことを前提にしている。 ……… 『逃げ恥に見る結婚経済学』是枝俊悟・白河桃子著は、タイトルからはキワモノに見えるが、多くの示唆に富む、とても面白いだ。結果的に「人はなぜ結婚するのか」という質に迫っているように思える。「愛や家族の価値は不変」と信じたくなるが、歴史が示す事実は変転だ。前時代の間違った価値観と切り捨てるのではなく、どうして、そんな行動をしていた

    生存戦略としての結婚と育児の価値 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 人は考えを変えない、悲しいほどに - 経済を良くするって、どうすれば

    「デフレの原因は、企業行動が変化したせい」という主張を聞くと、「若いなあ」と思ってしまう。何やら、経営思想が変わったから、経済が動いたような印象を受けるからだ。やはり、もう一つ問いを重ね、「なぜ、企業は設備や人材へのカネを絞るようになったのか?」へ進み、「緊縮財政がもたらした需要増なき経済に適応した」という答えを導き出すべきではないか。やはり、根源は、景気回復の芽を、いち早い緊縮で摘む「摘芽型財政」にある。 ……… 筆者も、若い時分は「意識変革で、世の中を良くできる」なんて議論していたものだよ。でも、人生経験の中で、「現実に合わなくなり、ボロボロになってすら、一念にしがみつく姿」を目にすれば、「人は考えを変えられない」と悟るようになる。だから、「思想の変化で、世の中が転換する」という説を、まったく信じられないんだね。方針に変化が起こるのは、多くの場合、人事での交代によってだ。 企業行動の変

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  • 少子化要因の複合性 - 経済を良くするって、どうすれば

    少子化は複合的な要因によって起こっている。このことが問題の理解を非常に難しくしている。少子化の最も重要なグラフは、合計特殊出生率のそれだが、1983年からダラダラと下がっているようにしか見えない。これでは「社会意識が次第に変化したから」くらいしか理由が思い浮かばないだろう。ここに経済の「補助線」を引く必要がある。 ……… ここで、いきなり専門的な話になって恐縮だが、合計特殊出生率は二つの要素で減少するものである。一つは、当に生まれる数が少なくなることによって減り、もう一つは、1人の女性が生む数を減らさなくても、単に産む時期を遅らせるだけでも減る。後者の、ある意味、見かけ上の要素を取り除いたら、グラフはどうなるか。 それが、下の「修正合計特殊出生率」の図である。年金のような社会保障の世代間負担を考える際に必要なので、そのために作成したものだ。算出は、平均出産年齢が当年で1歳上昇するとしたら

    少子化要因の複合性 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 驚いていることに驚く - 経済を良くするって、どうすれば

    都道府県、市町村別の将来人口推計が発表され、驚きをもって受けとめられたようだ。身近なもので示されたことで実感したというのは分かるが、昨年1月に発表された全国的な推計と同じものなのだから、今更といった感じはする。人口の激減は、専門家には10年も前から分かっていたことで、やはり、世間は、手遅れになってからでないと、実感できないものらしい。 そんなわけだから、日経が「人口増を前提にした社会保障制度の再設計やインフラの見直しが課題になる」としているのは、やや的外れで、少なくとも年金については、とっくに対応済みである。むしろ、直近の人口推計では、2004年の年金改革時より出生率が上向いている。あとは、脱デフレさえすれば、制度は問題ない。ただし、少子化に合わせた実質的な給付水準の引下げが「目の前」になったら、また驚くのかもしれないが。 まあ、まじめに少子化対策をすることだね。0~2歳児の保育所不足を仕

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  • 勤労者世帯の家計調査 - 経済を良くするって、どうすれば

    週末に家計調査を楽しもうとしたら、残念なことにメンテナンス中でアクセスできない。まあ、筆者のような趣味の人は世間では珍しいと思うがね。日曜夕方には復旧したので、今日は細かい数字をお届けする。 普段は「二人以上」の季節調整済実質指数を使っているのだが、今日は「勤労者世帯」の数字を並べることにしよう。「勤労者世帯」とは言うが、幅広い年齢階層を含んでおり、それを縮約したものだから、この世帯は、子ども手当も、年金ももらっているし、税と社会保険料もそれなりに払う、そんな主体である。 勤労者の指数の動きは、二人以上とは、若干異なり、5月と7月に消費が落ちている。理由は簡単で、所得が減ったからである。特に、可処分所得の減りが激しく、消費はこれに引きずられた形だ。つまり、税・社会保険料が重くなって、消費が落ちたということ。特に、奇数月は、年金支給という下支えがないので、響きやすい。そこからすれば、次の10

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