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ブックマーク / cruel.hatenablog.com (18)

  • オーウェル『1984年』全訳完成 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Big Brother is Watching YOU!!! 2023年の年頭に宣言した通り、オーウェル『1984年』の全訳をあげました。 genpaku.org html版と、pdf版があるので、まあお好きに。当然、クリエイティブコモンズなので、自由にお使いください。個人的にはいま出版されているどの翻訳よりもいいとは思うが、それは趣味もあるでしょう。商業出版したいとかいうところはあるかなー。なければ自分で電子ブックでも作って売ろう。 追記:商業出版したいというところが出てきたので (まだ確定ではありません) 、いまのうちにダウンロードしたりあちこちにばらまいたりしておくといいと思うぞ。(11/28) ビッグ・ブラザーのポスターでもトップにかざろうかと思ったけれど、みんなおどろおどろしいものばかりで、小説の記述に即したニュートラルなものがあまりないので少しびっくり。 訳していて、いろいろ含

    オーウェル『1984年』全訳完成 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • ポランニー『ダホメ王国と奴隷貿易』全訳終わった - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary タイトル通り、ポランニー『ダホメ王国と奴隷貿易』の全訳がおわりました。 先日、半分まで終わったポランニー『ダホメ王国と奴隷貿易』 cruel.hatenablog.com 全部終わった。 カール・ポランニー『ダホメ王国と奴隷貿易』(全訳、pdf 4.8MB) まあ、こうさ、訳してもさ、どうせだれも読みはしないんだよね。「スゲー」とか「感謝」とかコメントはつくんだけどさ。まあ君たちのためにやってるわけじゃないのでいいんだけど、ときどききょむかんはあるよな。でも、おもしろいよ。 書き方は下手クソで、おんなじ事何回も言っててアレだ。もう少し長生きしていればきちんと手直しできたのかも、でもなかなかおもしろいし、しょせんこの仕組みが一過性ではあったことは、ポランニーも認識しているんだね。現代世界でこんな仕組みが成り立たないのは、彼も知っている。その一方で彼は市場経

    ポランニー『ダホメ王国と奴隷貿易』全訳終わった - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • ロシアの攻勢と新世界の到来 (2022/02/26): 侵略成功時のロシアの予定稿 全訳 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    訳者まえがき まちがって公開されたとおぼしき、ロシアウクライナ征服に成功していた場合のロシア国営通信 RIA予定稿の全訳。すぐに引っ込められたが、Wayback Machineにしっかり捕捉されていた。すごい代物。いくらでも言いたいことはあるが、読めば多くの人は同じことを考えるだろうし、ある100年近く前のドイツの人が書いた文章との類似も明らかだとは思う。 以下のツイート経由で存在を知った。ありがとうございます! 1 “The resolution of the Ukraine question.” A mistakenly published Russian article gives us a chilling insight into the neo-imperialist thinking in Russia that drives Putin’s decision to inv

    ロシアの攻勢と新世界の到来 (2022/02/26): 侵略成功時のロシアの予定稿 全訳 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • ホール『都市と文明』I:文化芸術の創造理論なんだが、出た瞬間に古びたのはかわいそうながら、それ以前に認識があまりに変では? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary ピーター・ホール『都市と文明 I』は、都市がイノベーションの場だからえらいのだ、という結論ありきの。第一巻では、高踏文化に見られる創造性がテーマとなっている。しかし冒頭にある創造性の理論のレビューがあまりにショボく、その後の各種都市の記述に必要な枠組みが提示されない。 そして結論も、文化芸術の発達のためにはある程度の人口集積が必要で、それから社会経済環境が急変していて、異質な人びとがたくさん入ってきたけれど疎外されていて独自文化を発展させるようなときに、大きな創造性が生まれるんだ、というもの。500ページ読んで得られる知見としては不満と言わざるを得ない。 ルイス・マンフォードの大著『歴史の都市 明日の都市』にかわる総合的都市論となるべく、都市計画の大家とされるピーター・ホールが満を持して発表した大著『都市と文明』の三分冊その1ではある。 都市と文明 I

    ホール『都市と文明』I:文化芸術の創造理論なんだが、出た瞬間に古びたのはかわいそうながら、それ以前に認識があまりに変では? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • キューバの経済 part 4: 社会主義/共産主義経済の全体像 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    1. キューバ再び:経済危機のさなか さて久々にキューバにきているのだけれど、キューバはいますごいことになっている。まず、アメリカの制裁がどんどん厳しくなり、各種の船はキューバに寄っただけで嫌がらせされ、キューバへのフライトもどんどん潰された。おかげで観光客は激減。FDIもやたらに支障をきたす状態。料やガソリンの不足はとんでもない状況だ。 さらにコロナ。2020年夏に、一時抑え込んで、われコロナに勝利せり、と叫んだらすぐに第二波がはじまり、さらに今年に入って爆発。人口一千万強のキューバで、一日千人規模……だったのが6月にさらに爆発して一日三千人の新規患者数だ。おかげでレストランはテイクアウトのみ。夜8時から朝5時まで外出禁止。 さらにトランプがイタチの最後っ屁で、今年一月にキューバをテロ支援国認定してしまったので、特に銀行のドル送金ルートがほぼ完全に断たれてしまった。キューバ相手のドル取

    キューバの経済 part 4: 社会主義/共産主義経済の全体像 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • ナオミ・ウルフ (博士) の……凋落なのか元からそうだったのか…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary 2021年10月に、ナオミ・ウルフのツイッターアカウントが垢バンをくらった。コロナ陰謀論とワクチン否定論の最も低級な代物をバラマキ続けたせいだが、それ以前からナオミ・ウルフはどんどんおかしくなっていた。 もともと主著『美の陰謀』でも、ルッキズムからくる拒症による死者数を、累計を毎年の数字だと思って数百倍にしてしまっており、いい加減さは有名だった。博士論文をもとにした近著Outrages!では、その中心にあった基概念である death recordedが、単なる形式上の記述なのを知らず当に死刑だと思って論を構築していたことが判明し、面目が丸つぶれ。その後、5G陰謀論、コロナ陰謀論、コロナワクチン陰謀論に次々にはまっていき、もはや信用を完全に失ってしまった。 2021年6月に、ナオミ・ウルフのツイッターアカウントが停止をくらった。 いやー、ついにそこま

    ナオミ・ウルフ (博士) の……凋落なのか元からそうだったのか…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • ピケティ『21世紀の資本』: r>g は格差の必要 or 十分条件か? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    21世紀の資 作者:トマ・ピケティ発売日: 2015/04/27メディア: Kindle版 新年仕事始め前の小ネタ。ツイッターでこんなのみかけたのよ。 このツイ主は、浅田論文を読んでおくことでどういう知見を得るべきなのか、ここで採りあげているネット番組の問題提起に対してそれがどう関係してくるのかは明記していない。けれど、文脈から判断して、これは日で r>g が顕著になってきたことなんか重視すべきじゃない、それで格差なんか増えない、こんなんで騒ぐやつは煽りだ、と言いたいのだろうとぼくは判断する。 さて、この人がツイートないで言及している論文はこれだ。 core.ac.uk ちょっと待った、これ、COREか! ワタクシが座興で訳していたら「金払わないと訳しちゃダメ」と言ってそれを潰しやがった……まあいいや。勝手にやってたことだから仕方ないんだけど。が、閑話休題。 (なんか別物らしい。とばっ

    ピケティ『21世紀の資本』: r>g は格差の必要 or 十分条件か? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • まあXmasプレゼントみたいなもので、ケインズ「芸術と国家」(1938) 翻訳。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    今年はろくな年ではなかったし、来年もどうなるやらという感じだが、まあそれでも欲しいやつにはクリスマスプレゼントみたいなものでもあげようか。耶蘇じゃないけど。都市景観保全系の論集にケインズが寄稿していたのを見つけたもので。 全集のどれかの巻に入ったりしているのかな? 特に調べる気もないけれど、ケインズがスラムクリアランスや都市再開発を、不景気対策の公共事業として具体的に提案した文章って他にあるのかな? ケインズ「芸術と国家」 (1938) https://genpaku.org/keynes/misc/KeynesArtandState.pdf そんなすごいことを言っている文章ではないけれど、ケチな財務省死ねの論調とか、提案とかはそれなりにおもしろい。それと、建築とか景観の話として依頼されたはずなのに、途中まで舞台芸術やBBCの話ばっかりで、建築系は最初と最後にとってつけたような感じがしなく

    まあXmasプレゼントみたいなもので、ケインズ「芸術と国家」(1938) 翻訳。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • フロイト『夢判断』:フロイトの過大評価をはっきりわからせてくれる見事な新訳 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    新訳 夢判断 (新潮モダン・クラシックス) 作者:フロイト新潮社Amazon 古典をきちんと読まなければ、みたいな強迫観念は、昔は強かったけれど、いまはあまり残っていない。が、フロイトは高校時代に岸田秀に入れ込んだこともあり、またいろんな人がフロイトはすごい、フロイトにかえれ、みたいなことをしきりに言うので、いずれ読まねば、という気持はあった。そして高橋義孝のギクシャクした金くぎ翻訳をなどを読んで挫折し、いやこれはぼくの理解力が足りないのか、これをきちんと理解すると、何かすごい世界が広がるのか、と思っていた。いつの日か、ちゃんと読もう…… そしてその「いつの日か」がやってきた。フロイト『夢判断」新訳だ。 そしてこれは、すばらしい。訳は実に明快でわかりやすい。これまで読んで挫折したのは、何よりも翻訳がダメだったせいだ、というのがはっきりわかる。が、同時にもう一つわかったことがある。フロイトは

    フロイト『夢判断』:フロイトの過大評価をはっきりわからせてくれる見事な新訳 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • レッシグ新刊で知ったアメリカ政治二極化の力学 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    久しぶりにレッシグの翻訳をしているんだけれど、なかなかおもしろい(部分もある)。 かつてのインターネット法や著作権法からレッシグの関心は大きく逸れて、ここしばらくのレッシグのは、アメリカの選挙献金制度の改革がテーマになっていた。何度か、翻訳の打診もきたし相談も受けたんだけれど、話があまりにアメリカの選挙制度に偏りすぎで、翻訳しても日人が関心持ちようがないと判断したので、申し訳ないんだがずっと見送りを奨めていた。 さらにその後、レッシグ自身が大統領選に出馬とかして、人的には真面目なんだろうけれど、端から見るとスタンドプレーにしか思えないことをやったりしたため、言っては悪いんだが、キワモノ的な雰囲気が高まっていたこともあって、もう最近のやつは読んでもいなかった。 それが、まあいろいろあって最新作を訳すことになって手をつけ始めている。おおむね関心は変わっておらず、アメリカ政治の根的な改革

    レッシグ新刊で知ったアメリカ政治二極化の力学 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • ハーバート・A・サイモン『人間活動における理性』(1982) 改訳終わった。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    はい、コロナ戒厳令開始前に、サイモン『意思決定と合理性』の改訳を始めました。 cruel.hatenablog.com で、終わった。まあ読みなさい。 ハーバート・A・サイモン『人間活動における理性』(1982) pdf版 ハーバート・A・サイモン『人間活動における理性』(1982) epub版 右クリックでダウンロード 読者のみんなは、ぼくに深く感謝するがよいのだ。これはそれだけの価値がある、すごいだからだ。 この短いに収められた叡智のすごさは、ちょっと比類がない。第1章は、彼の限定合理性理論のまとめであると同時に、自分でその限界をバシバシ指摘したおっかない部分。2章は、進化論について一般人の知るべき事を、とんでもなく高度な話まで含めて網羅している。第3章では、1982年の時点で地球温暖化の話にすでに目配りしてあるのに驚くし、また最後に出てくる、各種経済学派のちがいは唯一、期待形成の

    ハーバート・A・サイモン『人間活動における理性』(1982) 改訳終わった。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • スノーデン自伝 訳者ボツ解説 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    しばらく前、といってもコロナ前だからはるか昔のように思えてしまうけれど、かのエドワード・スノーデンの自伝を訳したのでした。NSAに気がつかれないよう、原文はタイプ原稿コピー、著者名も偽名、これについてネットで絶対話をするなという条件つきで、しかも少し急かされたこともあり、なかなかおもしろうございました。 スノーデン 独白: 消せない記録 作者:エドワード・スノーデン発売日: 2019/11/30メディア: 単行 さて、このには訳者解説はない。でも実は、事前に有識者に送ったレビュー用の見版には、訳者解説があった。そして、出版社が販促用に作ったページにも、一時は訳者の解説が全文掲載されていた。 www.kawade.co.jp それがなぜ上のページから削除され、実際のからも訳者解説が消えたのかというと……スノーデン側から物言いがついて、なんでもあの訳者解説はスノーデンに対して disr

    スノーデン自伝 訳者ボツ解説 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • スノーデン関連書紹介 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    このたび拙訳で、エドワード・スノーデンの自伝が出ることになった。我ながらものすごい勢いで訳したので、やろうと思えば9月の原書発売と同時発売も可能だったと思うけれど、なんだかんだで11月末になりました。 スノーデン 独白: 消せない記録 作者: エドワード・スノーデン,山形浩生出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2019/11/28メディア: 単行この商品を含むブログを見る 自伝は自伝としておもしろいのだけれど、そもそものリークした文書の中身についてはあまり記述がない。また当人の目からの話なので、周辺の状況は必ずしもはっきりしないし、それに当人の話を鵜呑みにする必要もないだろう。ということで、日語で読める関連に一通り目を通して観ました。 グリーンウォルド『暴露』 暴露:スノーデンが私に託したファイル 作者: グレン・グリーンウォルド,田口俊樹,濱野大道,武藤陽生出版社/メーカー:

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  • お嬢さんは中東の石油相の遺産をもらえるそうです。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    まったくどうでもいい話だけれど、近くのカフェで御禁制品のファーウェイMatebook Xでかっこよく仕事をこなしていたところ、隣でそこそこ妙齢の女子が二人ダベっている。その一人曰く: 「なんか変な英語のメールがきたのよー、中東からでぇ、なんか億万長者の遺産があるので、その遺族を探して口座から遺産を出すのを手伝ってくれって」 おー、最近また少し増えてきたよねー、その手のメール、と思いつつ聞いていると、相手方は「なんかあやしーよねー、どうしてそんなの来たの-」とお返事。 最初の女子は「そーなのよー、なんか変でしょー、そんな話あり得ないよねー、その遺産の人の名前とか聞いたことないし、あたしその人と関係ないしー」、と非常にまっとうな疑念を表明していて、あー、ネットリテラシー教育も少しは浸透しているのねー、と感心して聞いていた。そのまま彼女は、いろいろ怪しいところを並べて、いちいちごもっとも。相手も

    お嬢さんは中東の石油相の遺産をもらえるそうです。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • キューバの経済 Part2: 経済の「効率性」とは?――物流と『ザ・ゴール』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    はじめに:社会主義の「いいところ?」 前回の、憲法改正の話を書いたら、はてなブックマークに「社会主義のよいところも書くべき」というコメントがついて、ぼくは少し驚いた。えーと、どんなところが「いい」と思ってるんだろうか? 強いて言うなら、格差が公式にはあまりないのはいいことかもしれない。が、あらゆる社会主義経済の常として、その低い格差は、全体を抑え込むことで実現されているものだ。配給制により、衣住は一応だれにでも確保されることにはなっている。でも、特に住では、物件ごとにロケーションも質もちがう。いいところに住めるかどうか? それは平等ではありえない。結果として、土地利用とか変な無駄だらけ。都心国会議事堂の真向かいに、おんぼろの、ぼくたちから見ればスラムみたいな住宅があり、そしてキューバ最大の商業目抜き通りである、オビスボ通りのど真ん中に、こんな服飾の縫製工場が平気である。日で言えば、銀座

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  • キューバの経済 Part1: 憲法改正と市場経済 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    1. はじめに 最近、キューバでのプロジェクトが始まって、いま二回目の現地調査。キューバというと、みんなゲバラにカストロ、葉巻で、ついでにブエナビスタ・ソシアルクラブで町中が音楽に満ち……というような漠然としたイメージしか持っていない。このぼくもそうだった。その一方で、アメリカの経済制裁の影響や社会主義経済の常として元気がなく、停滞しているという話も聞いていた。 ブエナ★ビスタ★ソシアル★クラブ Film Telecine Version [DVD] ライ・クーダーAmazon で、行ってみたら……うーん。何と言おうか。いや、いいところなんだよ。いろいろおもしろいのは事実。でも、どこがいいのか、と言われると口ごもる。どうだった、と言われると、次から次へと悪い点ばかりが出てくるんだけれど、でもじゃあ、そんなひどいところかと追われると、それほどでもないどころか結構楽しい。うーん。 ということで

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  • アセモグル&ロビンソン『国家はなぜ衰退するのか』:アセモグルきたー! 世間的な認識は妥当なものか、実物読みましょう。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    国家はなぜ衰退するのか(上):権力・繁栄・貧困の起源 作者: ダロンアセモグル,ジェイムズ A ロビンソン,稲葉振一郎(解説),鬼澤忍出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/06/21メディア: 単行この商品を含むブログ (30件) を見る アセモグルきたー! です。ぼくもちょっと協力したもんで、うちにはすでに届きました。 このは、一般には「経済発展には制度が重要なんだけどぉ、制度ってなかなか変わんないしぃ、数少ない成功例は血みどろだったりして全体で見るとホントによかったかわかんない、みたいなフランス革命とかだしぃ、まあ基的にはお先真っ暗でゼツボーで、経済発展なんかするほうが奇跡っつーことでオマイラ努力するだけ無駄かもねハッハッハ」というようなだと思われている。 その例として、たとえば拙訳のバナジー&デュフロ『貧乏人の経済学』は書について最後の章でかなり批判的に延べ、そん

    アセモグル&ロビンソン『国家はなぜ衰退するのか』:アセモグルきたー! 世間的な認識は妥当なものか、実物読みましょう。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 長谷川『縮む世界でどう生き延びるか?』:お気楽な成長否定の社会ダーウィニズム。ふざけんな。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    縮む世界でどう生き延びるか? (メディアファクトリー新書) 作者:長谷川英祐発売日: 2013/02/28メディア: 新書 生物は、個体数が増えるときもあれば、減るときもある。それぞれの時点で、そのときに応じたバランスがあって、みんな常に「適応」している。だから人間社会も、成長しているときがあればいずれは衰退縮小に向かうのは当然なので、いまの経済停滞や不景気も仕方ないことで、当然なんだからみんな我慢しろ、「適応」しろという。 バーカ。 この人は、『働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)』の人で、ぼくも前にほめた。アリの研究者としてはいいんだろう。でもそれを安易に人間社会に適用する軽薄さにはうんざり。 いろんな生物はもちろん、増加局面でも衰退局面でもバランス取れて「適応」しているだろう。でもそれを言うなら人間だってあらゆる場面でバランスは取れて「適応」しているのだ。不景気の

    長谷川『縮む世界でどう生き延びるか?』:お気楽な成長否定の社会ダーウィニズム。ふざけんな。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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