AV監督の二村ヒトシが書いた、女性向けの恋愛ガイドを読んだ。 恋とセックスで幸せになる秘密 作者: 二村ヒトシ,山本直樹出版社/メーカー: イースト・プレス発売日: 2011/02/25メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 6人 クリック: 50回この商品を含むブログ (12件) を見る二村さんは、「心の穴」をキーワードに、恋愛を読み解いていく。人間は、みんな、子どもの頃に親から何かしらの否定された経験によって、心に穴を開けられている。大人になって恋愛をするようになると、その心の穴を恋人で埋めようとする。そのとき、親に傷つけられた関係を反復したり、その関係を避けようと胡乱になってしまったりする。二村さんは、この自分の「心の穴」を見つめ、どうして、好きではない男性や、傷つけられる男性とばかり付き合ってしまう自分の、行動や思考のクセをみつけることを女性に勧める。その中で明かされるのは、自己
「ADNS」1号 『薔薇族』の創刊は商業誌として、トーハンや、日販などの取次店を通して、日本全国の書店に配本するという点では、日本初ということになるが、正規のルートを通さない、小部数の同人誌のような雑誌は存在していた。 『ADNIS』という雑誌の第1号は、昭和27年9月10日に「アドニス会」から刊行されている。会員制で非売品となっており32頁しかない。第1号の目次を見ると、難しい読み物ばかりが並んでいる。この時代に同性愛の雑誌を出すとなると、医者が書いた読み物とか、江戸時代の衆道の文献「男色十寸鏡」の研究記事、高橋鐵さんの「老男根への憧憬」というような記事でも、当時の読者は興奮して読みふけっていたのだろう。 読者の投稿の頁に、こんな文章が載っている。『薔薇族』が創刊される19年も前の話だから、どんなに読者が待ち望んでいたことか。 「逃げられぬ深い孤独もいくぶんでも慰められるなら、どんなに難
9月24日に開かれた中央大学文学部と読売新聞立川支局共催のリレー講座「恋愛、家族、そして未来」第6回。今回は、宇佐美毅教授(文学科国文学専攻)が「村上春樹 喪失の時代/恋愛の孤独」と題して、村上作品の特徴を読み解き、現代の恋愛観の多様化を示唆した。講義の要旨を紹介する。 ■世界での読まれ方 日本文学は海外でもかなり読まれるようになりました。その中でも翻訳が出て、世界的にまずまずの読者を獲得している日本の作家というと、村上春樹が一番です。 かつて日本文学は、異国趣味で読まれた傾向があります。日本の作家でノーベル賞をとったのは川端康成と大江健三郎ですが、受賞の意味はまったく違うと思います。 川端の時代は、多くの読者にとって、異国趣味を味わうために読む、という雰囲気があった。だけど、大江がノーベル賞をとって、村上春樹が読まれる。これは異国情緒のためではない。そう考えると、日本文学の読まれ方が変わ
本ウェブサイトは株式会社KADOKAWAの情報を発信する、臨時のグループ ポータルサイトです。 2024年6月8日(土)未明に発生したシステム障害により、KADOKAWAグループ ポータルサイト(https://group.kadokawa.co.jp/)をはじめ、当社グループの複数のウェブサイトが利用できない事象が発生しております。これまでの経緯、現在の状況、今後の対応については、下記「お知らせ」をご覧ください。 現在システムの保護と復旧に向けて対応を進めておりますが、復旧までの期間、当社の企業情報につきましては、本ウェブサイトにて発信を行っていきます。 復旧次第、本来のグループ ポータルサイトでの情報発信に切り替えます。 このたびは多大なるご心配とご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。 This website is a temporary Group portal site of
この評論が指摘する通り、日本の恋愛小説は大量の「女の子」を作中で殺してきた。それも男女の一線を越えた途端、健康で美しいヒロインを脈絡もなく。 その理由を明らかにするべく、用意された作品の系譜は1960年代の柴田翔→70年代の庄司薫→80年代の村上春樹。もう一本はヘッセ→サリンジャー→庄司→村上。周辺には川端康成から氷室冴子まで等価に配され、「女の子殺し」にまつわる類似点や関連が、じつに細やかに考察されていく。「幼なじみ」「逃走」などの共通項から読み解けば、たしかに女の子が死なねばならない運命も見えてくる。そして彼女らはなぜか「落下」する存在でもあり続けた。 例外的に『赤頭巾ちゃん気をつけて』の薫くんは、シリーズ最終作で女の子と手をつないで神社の階段を降りていく。そして『1Q84』のヒロイン青豆は「BOOK3」で恋人を先導し、高速道路への階段を昇る。二つの場面をつなぐのは、まさに表題の思いだ
19世紀以来の工業化、20世紀の家庭電化による家事労働の再編は、主婦の仕事を本当に楽にしたのだろうか? かつては夫や子どもたち、さらには使用人も含めて分担していた家事労働が、テクノロジーの進化とともに主婦に集約されてゆくアイロニカルな過程、今日まで強固に存在する「男女別領域」の教義が確立される過程を、社会史・技術史の視点から描いた家事労働論の基本文献。柏木博氏推薦。 紹介 19世紀以来の工業化、20世紀の家庭電化による家事労働の再編は、主婦の仕事を本当に楽にしたのだろうか? かつては夫や子どもたち、さらには使用人も含めて分担していた家事労働が、テクノロジーの進化とともに主婦に集約されてゆくアイロニカルな過程、今日まで強固に存在する「男女別領域」の教義が確立される過程を、社会史・技術史の視点から描いた家事労働論の基本文献。柏木博氏推薦。〔社会史・技術史〕 目次 日本語版へのまえがき 謝 辞
エキサイティングな本を見つけた。 邦訳『お母さんは忙しくなるばかり:家事労働とテクノロジーの社会史』 著者 ルース・シュウォーツ・コーワン 訳者 高橋雄造 法政大学出版局(2010年10月) 訳者あとがきによれば、著者は科学技術の社会史を専門とするペンシルベニア大学教授で、執筆当時は娘三人を持つ主婦でワーキングマザーだったそうだ。 家電製品の普及で主婦労働は楽になったという“常識”を全くくつがえす内容に、目から鱗が落ちる思いがした。 コーワンによれば、家事テクノロジーの進化は、女(ばかり)を忙しくした。元々「家庭」では、男と女(そして子ども)がそれぞれに「家事」を分担することで生活が営まれてきた。だが19世紀以来のテクノロジーの進歩は、男や子どもの家事労働(たとえば、革細工、家畜屠殺、燃料集めなど)を省略化し、女性(主婦)の家事労働をかえって増やしたというのである。たとえば、「粉挽き」とい
先日の日記でもお知らせした小宮友根さんの新著『実践の中のジェンダー』の合評会がきのう無事に終わった。僕もコメンテーターを仰せつかったが、事前の準備に思うように時間が割けなかったという言い訳もあって、あんまりうまく報告の内容を整理することができなかった。 ところで、会の中では時間切れで議論はされなかったのだが、小宮さんが使っている「性現象」という用語はなぜ選ばれているのか、英語に訳すとどうなるのか、またそれと関連して、小宮本の中ではジェンダーは出てくるけどセクシュアリティは全く出てこないが、これは積極的に排除したのか、という趣旨の質問があったと記憶している。これは素朴な質問だがそれなりに大事な問題にかかわっていると思うので、僕の大まかな考えを書き留めておきたい。 僕もながらく「性現象」という言葉を使っている。大学での講義科目名は「性現象論」だし、最初の論文集のタイトルも『性現象論』(副題は「
明晰夢―夢見の技法/スティーヴン・ラバージ(著) (※ この記事は【2004/01/04】に、HP上に書かれた書評の再録です) スティーヴン・ラバージは偉い! ナニが偉いのかというと、明晰夢という極めて個人的な体験を、“科学的”に証明しようとしたことだ。 明晰夢の研究者は古今東西にたくさん存在したし、研究書や実践書はあまた発行されている。しかし、これまでは“科学的”と呼べる研究データはほとんど存在しなかった。 なぜなら、夢は個人の脳内にのみ存在しうる体験であり、人がどんな夢を見て、夢の中でどんな行動をしているのか、夢見の最中に第三者がそれを知る手段はなく、科学的に証明することは不可能だと思われていたからだ。 だがラバージは、精度の高い最新の電子機器を使い、脳や筋肉に生じる微細な電位を検出、測定、記録することで、それを可能にした! たとえば、ラバージは次のような実験を行った。夢を見ているのが
5年ぐらい前の本であるので気になる本のところだけ拾い読みしていたんだけれども、後ろにある荒俣宏との「恋愛小説の新しい効用」というのはあんまり用事がない感じなので読んでいなかった。 主に荒俣が話し手で進む。 ラブロマンスは、ラブとロマンスの重層概念だと。ラブが内容でロマンスが文学的側面を持つ。その物語というのは簡単に言うと嘘だと言うのだが、恋愛は病気と荒俣自身は思っているので、普通の人の感覚だと思い込み、ということになる※1。 でこの対談ではね、漱石は吉本が体験的に身につまされるからということになって外してるんだよね。編集者の意図とか、村上春樹の話はずっと出てくるのでその都合だかで。で太宰治の作品を中心に語られている。最初に出てくるのが舌切雀なのだけれども、この中の一つね。 太宰治 お伽草紙 お金持ちでぐうたらな三男という設定のお爺さんはその家の小間使いを昔からしているお婆さんと結婚した。あ
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