大竹 剛 日経ビジネス記者 2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中 この著者の記事を見る
![食品世界最大手が挑む“人工乳のネスプレッソ”:日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/05f492a9ba706b05ca8fd61b1840b099fb59fdc9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fimages%2Fn%2Fnbo%2F2011%2Fcommon%2Fnbologo_ogimage.png)
食品を加熱せずに無害で殺菌できる技術を、還暦を過ぎて起業した大阪のベンチャー会社社長が開発し、特許を出願した。「高電界」と呼ばれる環境を常温で安全に作り出す仕組みで、牛乳なら風味を損なわずに賞味期限を数カ月に延ばせるという。年内の実用化を目指し乳業メーカーなどと装置を共同開発中で、賞味期限の短い食品の輸出機会が拡大するなどの効果が期待できそうだ。 大阪市此花区の機能性セラミック製造業、アキュサイト=井川重信社長(71)=が開発した。井川さんは中山製鋼所の元取締役で、定年退職後の61歳で起業。製鉄の経験と知識を生かしセラミックを用いた浄水器などを製造しており、ミネラル水の自動販売機をこれまでにスーパーなどへ約150台販売している。 井川さんは既存の殺菌・滅菌技術に対し、「水道水の塩素は人体の免疫自体を弱め、プラズマは高価なうえ、有害なオゾンを発生する」などと懸念していたという。そこで大きな電
東京の築地市場で店先に置かれたクロマグロ(2010年2月19日撮影)。(c)AFP/YOSHIKAZU TSUNO 【3月15日 AFP】人工ふ化から育てた成魚がまた卵を産む「循環型」の供給に道を開く「完全養殖」によるクロマグロが、初めて本格的に輸出される。 輸出を開始した水産加工会社ブリミー(Burimy、熊本県天草市)によると、これまでクロマグロの供給は遠洋漁業か、漁網で捕獲した稚魚からの養殖のどちらかに頼っていたが初めて、人工ふ化させた卵から成魚に育て、その成魚がまた卵を産むという養殖サイクルで可能になった。枯渇の危機にある海洋のクロマグロを保護しながら、市場の高い需要にも応えられると関係者は期待する。 「われわれのマグロは生態系に影響を与えません。海洋資源の枯渇を防ぐ一助になれば」と、ブリミーの浜隆博(Takahiro Hama)取締役は語る。「今年に入って米国への本格的な出荷を始
このコラムについて 日本の「食」と「地域」が揺れている。原因をたどると、食であれば規模の限界や農政の失敗、地域は都市化に伴う人間関係の希薄化や景気低迷による経済停滞といった点が挙げられる。こうした変容は、日本にどんな影響を及ぼすのか――。日本人のアイデンティティーとして語られることが多い「コメ」を通じて、農業と地域共同体の行く末を探る。 記事一覧 記事一覧 2010年2月19日 「変わる味覚」を知って「変わらぬ味」を作る 舌が感じ取る味、脳が生起する味(その3) 「人間の脳は、生まれてきてから今まで食べたものの記憶と照らし合わせて味を感じているとも言われています。さらに味覚は文化的背景も含んでいる」 2010年2月17日 食味を測る新たな評価軸が見つかった! 舌が感じ取る味、脳が生起する味(その2) 「『はえぬき』は、苦味などを感じさせるアミノ酸も少ないためにおいしいと感じているのではない
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン (その1から読む) 少し整理しておこう。改めて味とは何か。甘味、酸味、塩味、苦味、辛味、渋味、刺激味、無味、脂身味、アルカリ味、金属味・・・など、様々な形容でそれは示される。食べ物の数だけ、さらには食事の回数だけ味があるとも言える。 しかし、多様で複雑な味は、いくつかの基本的な味の合成の結果、生じているのではないかという考えは、古くから持たれてきており、ドイツの心理学者ヘニングは1916年に、甘、酸、塩、苦の4つの味とその複合ですべての味覚を説明する4基本味説を提唱した。すべての味は甘味、酸味、塩味、苦味のブレンドなのだと、彼は考えた。 この説に反対したのが日本の化学者・池田菊苗だった。複雑な味を構成する原味=基本味が存在するという考え方自体
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 本連載の前々回で、コメの食味試験を体験取材したことを記した。 イモチ病に強い抵抗性を持つ新品種を含む複数の品種を、実際に炊飯器で炊いて食べ比べてみる。そんな食味試験に参加させてもらったのだ。 こうした食味試験の「大本締め」(というのもヘンだが――)は、財団法人の日本穀物検定協会である。この協会は、1951(昭和26)年4月に食糧配給公団による米穀の配給制度が廃止され、民営の卸や小売による販売制度に移行されたのに伴い、まずは社団法人「東京穀物検定協会」として農林省(現・農林水産省)の認可を得て設立された。 政府と民間の間に立つ第三者機関として、穀物の品質をチェックする、そんな作業に携わり始めた同協会は、当初は日本各地に支部協会を持つ形態で運営さ
世界一の計算速度に固執した国策の次世代コンピュータ。無駄な予算を判定する行政刷新会議の事業仕分けは、なぜ、事実上の凍結判定を下したのか。計算科学の専門家で、仕分け人として鋭い指摘を関係者らに浴びせかけた東京大学の金田康正教授は、迷走した一連のスパコン問題の根底には「日本の科学と技術への無理解がある」と指摘。「技術立国ニッポン」は虚像であることが露呈したことを示唆する。(聞き手は島田 昇=日経コンピュータ) 予算復活はいいが不本意 迷走した国策スパコン事業の予算が復活した。率直な感想は。 現時点(12月18日)で文部科学省の見直し内容の詳細が公開されていないため、あくまでマスコミ発表の情報を基に議論せざるを得ない。そのため、どの点を見直すべきかコメントしづらい状況ではあるのだが、率直な感想としては「予算が復活したことはいいが、不本意である」ということだ。 スパコン事業が凍結となれば、日本の技
牛の発情時期を検知して、最適な授精時期を知らせる「牛歩」を開発。「1年1産」を可能にし、育牛業者の経営効率を向上させた。新興国での乳製品や牛肉の需要増加をにらみ、海外展開の準備を着々と進める。 「分娩間隔1年」。牛を育てる酪農家や畜産農家たちが夢見る数字だ。 出産の頻度を示している。分娩間隔1年とは、つまり1年に1度、母牛に子牛を生ませるということだ。現実には全国平均でおよそ420日。「1年」の実現は容易なものではない。 酪農業や畜産業は、牛という資産をどう回転させるかによって経営効率が大きく変わってくる。分娩間隔が短いほど資産の回転率は上がり、長くなればその分だけ餌代などのコストがかかる。分娩間隔は重要な経営指標だ。 コムテックが開発した「牛歩」は、分娩期間を大幅に短縮するシステムだ。全国の酪農家や畜産農家たちの間で急速に普及しており、既に国内で870件以上の農家に導入されている。牛の頭
ブラザー工業は10月20日、メガネ型ディスプレイの電源ボックスを小型化し、持ち運びできるようにしたと発表した。現実の空間に映像を重ね合わせたような形で見られる点が最大の特徴だ。 これは、目に入れても安全な明るさの光を網膜に当て、その光を高速で動かすことで残像を作りあげて映像を見せる「網膜走査ディスプレイ(RID)」という技術を使ったもの。ブラザー工業がプリンタなどのレーザープリンティング技術を開発する中で培った光学システム技術や、インクジェット方式のプリンティング技術で使われている圧電方式(ピエゾ方式)技術などを応用しており、2010年度の事業化を目指している。 最大の特徴は、実際の視野と重ねてRIDの画像を見ることができる点にある。こういった技術はAR(拡張現実)技術と呼ばれて注目されており、アニメ「電脳コイル」などで話題になった。 ブラザーはメガネ型の試作機を2008年11月に開発して
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く