ディストピア在英ジャーナリストの小林恭子さんが、米大手ネット通販・アマゾンの配送センターをルポした英紙フィナンシャル・タイムズの記事を紹介しておられたが、英大衆紙デーリー・メールもFT紙の記事を転載した。競争の厳しい英メディアが、「後追い」記事を載せることはあっても「転載」は非常に珍しい。 米映画ターミネーターは、人工知能スカイネットや殺人ロボット・ターミネーターの支配に抵抗する人間の近未来を描いた。アマゾンの配送センターでは、サトナブ(衛星測位システム)の携帯端末を持たされた労働者がコンピューターの指示通りに働いている。 人間性より効率性を優先するアマゾンの人間オートメーションは、ディストピア(ユートピアとは正反対の社会)を英国人に連想させるのだろう。英作家ジョージ・オーウェルのディストピア小説『1984年』は、英国人が一番嫌う社会だ。 サッカー場を9つ合わせた広大なアマゾンの配送センタ