最近,量子コンピュータの話題をニュースや新聞で見かけることが増えてきました. その中で気になってきたのが,組合せ最適化と量子コンピュータ(特に量子アニーリング)に関する怪しい言説.私自身は(古典コンピュータでの)組合せ最適化の研究をやってきて,量子コンピュータを研究しているわけではないのですが,さすがにこれはちょっと・・・と思う言説を何回か見かけてきました. 最近の「量子」に対する過熱ぶりは凄まじいので,こういう怪しい言説が広まるのは困りものです.すでにTwitter上には,“組合せ最適化は今のコンピュータでは解けない”とか“でも量子なら一瞬で解ける”という勘違いをしてしまっている人が多数見られます*1. さすがに危機感を覚えてきたので,この場できちんと指摘しておくことにしました. 今北産業(TL;DR) “古典コンピュータは組合せ最適化を解けない” → 古典コンピュータで組合せ最適化を解
こんな簡単なコマンドで、Windowsは「しゃべって」くれる。画面キャプチャーでは声をお聞かせすることはできないが、お手元のWindows PowerShellで試してほしい スクリプトを作るとき、ちょっとユーザーの気を引きたくなることがある。たとえば、少し時間のかかる処理をするときに、終わったことを通知したい場合などだ。あるいは、実行後にすこし時間が経過してからエラーを通知するような場合にも、気を引きたくなることがある。 こんなとき昔のコンピューターならベル音やビープ音を鳴らすのが一般的だった。端末装置からコンピューターを使っていた頃、Ctrl+Gを出力するとベル音が鳴った。マイクロプロセッサが使われ始め、パソコンの原型ができあがった頃、BEEPと呼ばれる機能ができた。プログラムでビットをオンオフし、これをスピーカーに接続することで音を出していた。今もマザーボード上には、そのための小さな
注意点 「CEDEC2020のPERACONが参加人数が多すぎて、提出物の質が低くなった」という問題については、書いてません。あくまで審査員の質についてだけを書いています。*1 記事を書くにあたって、審査員は匿名で書きたかったのですが、 審査員全員の名前が公開されていて、中途半端に匿名にしても無意味なこと。 根本的な問題では、反省はしてなさそう。 審査員にも責任があるべきといっていること。 なので、審査員の実名を出しました。ただ、悪い部分だけをピックアップすることはないように、できるだけ多くのデータを出し、客観的に判断するように心がけました。 はじめに CEDECというゲーム業界のカンファレンスで、PERACONというゲーム企画コンテストがあります。今年からはCESAというゲーム業界最大の団体の人材育成部会で引き取って、毎年人材を育成するという目的で行っていくことになったようですが、これか
ポリゴンのラスタライザを書いていて気になったのですが、 初代プレイステーションにおいてしばしばポリゴンとポリゴンの間にわずかな隙間が空く状況が発生したようです。 これはなぜ発生するのでしょうか。 また、プレイステーションのラスタライズのアルゴリズムについての資料はありませんか? プレイステーションの画面描画に関わるシステムは、こちらの資料などで調べたところ次のようになっているようです。 CPU: 普通のMIPS、浮動小数点演算なし GTE: Geometry Transformation Engine; 16bit固定小数点数の座標演算に特化したコプロセッサ GPU: 整数の画面座標で2次元の3角形(または2つ繋げた4角形)を描画する ここから、一般的なポリゴン描画ルーチンは次のようであると考えられます。 CPUが(GTEを使ってか使わずか)モデルの座標変換行列を計算する。 行列をGTEに
思考実験として、全世界の人が同時に、自分の持っているコンパイラやインタープリタなどの実行ファイルをうっかり全部消してしまったとしよう。そうするとそれ以降、ソースコードが残っていても、コンパイラ自身も含めてどのようなプログラムもコンパイルできなくなってしまう。この状況から人類は元のコンピュータ文明を復旧することができるのだろうか? 僕は結論としては、かなり簡単に復旧できると思う。ここではその手順についてちょっと考えてみよう。 コンパイラのバイナリファイルが全部消えてしまった後、復旧のために目指すべきマイルストーンは、おそらくCコンパイラを元に戻すことになるだろう。Cで書かれたプログラムはOSやコンパイラ自身を含めてたくさんあるので、そこを起点にすれば、たくさんのプログラムを芋づる式に復旧していけるからだ。 ほとんどのCコンパイラはCかC++で書かれている。最近のGCCやClangは巨大かつC
tl;dr 先頭 8000 バイト以内に NUL が有ったらバイナリファイル。 Gitの実装 Gitの内蔵diffは FIRST_FEW_BYTES だけ検索するようになっている。 https://github.com/git/git/blob/6e0cc6776106079ed4efa0cc9abace4107657abf/xdiff-interface.c#L187 #define FIRST_FEW_BYTES 8000 int buffer_is_binary(const char *ptr, unsigned long size) { if (FIRST_FEW_BYTES < size) size = FIRST_FEW_BYTES; return !!memchr(ptr, 0, size); }
兵庫県警によるブラクラ摘発が話題になってもう3週間ほどになるんでしょうか。 最初は中学生がこの件で「補導」(触法少年として刑法犯扱い)された事が話題になりましたけども、その後、僕は同時に摘発された男性に関する以下の記事が出て「これは本当にマズイ」と感じるようになりました。 そして、この件で僕が感じているこのザワザワした感情が 恐怖 なんだ、という認識に至りました。 nlab.itmedia.co.jp 以下、僕がこの件で何を恐怖と感じているかを書きます。 書いてあることは他でも言われていることの何番煎じかわからないものですが、あくまで僕自身の所信表明ということで。 目次: 1. ブラクラをウィルスと同列のものとして扱っている 2. ループの本質を警察が理解していない ループはプログラムに欠かせないもの 止まらないループは簡単にできあがる まとめると 3. 故意犯の要件を満たしていないのでは
文章を読むのが人間であれば、入力にミスがあっても簡単に気付いて正しく読むことができますが、コンピューターにはそうした柔軟性がないため、プログラミングを行う際には一言一句正確に文字を入力する必要があります。この時に問題になってくるのが「O(オー)と0(ゼロ)」や「I(アイ)とl(エル)」など「人間には同じに見えるのに内部的には違う」文字で、これらの打ち間違いを目で探すのは至難の業。そんな紛らわしい文字をパッと見分けやすくしたプログラミング用のフリーフォントが「Programming Fonts」にまとまっていたので、どんなものがあるのか確かめてみました。 Programming Fonts - Test Drive http://app.programmingfonts.org/ サイトを開くと下のような画面になります。左から見たいフォントを選ぶと右のサンプルコードが選んだフォントで表示され
はじめに このオンラインブックは執筆中です。完成版ではありません。フィードバックフォーム この本には一冊の本に盛り込むにはやや欲張りな内容を詰め込みました。本書では、C言語で書かれたソースコードをアセンブリ言語に変換するプログラム、つまりCコンパイラを作成します。コンパイラそのものもCを使って開発します。当面の目標はセルフホスト、すなわち自作コンパイラでそれ自身のソースコードをコンパイルできるようにすることです。 この本では、コンパイラの説明の難易度が急に上がりすぎないように、様々なトピックを本書全体を通じて次第に掘り下げていくという形で説明することにしました。その理由は次のとおりです。 コンパイラは、構文解析、中間パス、コード生成といった複数のステージに概念的に分割することができます。よくある教科書的アプローチでは、それぞれのトピックについて章を立てて解説を行うことになりますが、そのよう
この記事が話題でした。 blogos.com ブコメを見るとおりわかってる人が読むとトンデモな内容なのですが、IT業界の方以外だとピンとこない部分も多々あると思うので、そんな方のために自分の経験/見聞きしている範囲のシステムをベースにこの記事のおもしろポイントをツラツラと解説します。 ※プロの方から見たら私の解説にも多少ツッコミどころのある部分はあるかもしれませんが、業界外の方に理解してもらえることを優先しているので飲み込んでください。なるべく業界にしか通じない表現を噛み砕く意識で書きます。 ※私は業界歴10〜15年の範囲、いわゆる上流SIerの仕事に従事しています。アプリ開発、要件定義〜設計、あと提案、インフラ構築と運用以外は上から下まで囓ってきてはいます。業界は金融、一般企業、公共も経験しています。 ※サマータイム導入の是非そのものとかアスリートファーストがどうとか放映権がどうとかとい
この記事は Kobe University Advent Calendar25日目の記事です。 低レイヤー技術(後述)をこれから学びたい人向けの入門記事です。 自身の経験を踏まえ、より多くの人達にこのレイヤーに興味を持ってほしくて書きました。 決して卒論がやばくてAdvent calendarのネタが作れなかったわけでは(ry なぜこんな記事を書いたか いわゆるシステムプログラミングのような低レイヤー(と言って差し支えない)ジャンルって一体何から始めれば良いのかいまいちピンと来ないし、何が面白いのかも分からないと思われている事が多いと思います。 にもかかわらず低レイヤーの魅力や学び方の指針みたいな物を示した、いわゆる入門記事ってかなり少ないんですよね。 本記事はこれからシステムプログラミングを始めたい方や、既にかじってみたが中々先が見えてこない、将来何の役に立つのか不安という方達に読んでい
Steven J. Vaughan-Nichols (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部 2018-07-28 08:00 世界で最も人気のあるプログラミング言語「Python」の開発を指揮しておよそ30年、その生みの親で「Benevolent Dictator For Life(優しい終身の独裁者:BDFL)」のGuido van Rossum氏が、意思決定プロセスから完全に退くことを決断した。 しかしながら、Pythonから完全に離れるわけではない。「ただのコア開発者としてしばらくとどまるつもりだ。そして、引き続きメンターとして支援していく--おそらくこれまでよりは対応できるはずだ」(同氏) van Rossum氏の声明から組織運営にうんざりしている様子が明確に読み取れる。「PEP(Python Enhancement Proposal)のために一生懸命戦い、とても多くの人から自
【追記あり】Googleの新OS「Fuchsia」がAndroidを5年後に置き換えるかも2018.07.20 13:0360,923 塚本直樹 そんな大望があったとは…。 Google(グーグル)がひっそりと、しかし着実に開発を進めている新OS「Fuchsia(フューシャ)」。LinuxベースのAndroid OSとは異なる自社開発のZirconカーネルを採用し、さらにデスクトップとモバイルの両方に対応するなど、なかなか興味深いOSです。 Fuchsiaはもともと2016年8月にGitHubで公開され、世に知られるようになりました。その後もOSの開発は続けられていますが、未だGoogleは公式にFuchsiaの今後については語っていませんでした。ところがなんと…。 GoogleはFuchsiaにホンキ?BloombergのMark Bergen記者とMark Gurman記者が報じるとこ
プログラマーはクソコードが大好きです。プログラマーが仕事を進める上でクソコードは本来全力で回避するべき対象であるにも関わらず、プログラマーはクソコードの話題が大好きです。みんな張り切って自分が経験してきたクソコードの話で盛り上がります。 昨日こんなツイートをしました。 プログラマーとして数年経験していれば誰でもクソコードの1つや2つ見たことあると思いますが、今まで「これはクソ」と思ったコードにはどんなものがありましたか?リプ欄で共有いただければ幸いです。 — 米村歩@日本一残業の少ないIT企業社長 (@yonemura2006) April 26, 2018 そうしたら出るわ出るわ。皆さんのクソコード事例集があっという間に集合知として蓄積されていきました。エンジニアであれば誰しもクソコードの話題では盛り上がらざるを得ないわけですが、今回上記のツイートを私はある意図があって投稿しました。 そ
▼ iPhone 15/15 Proの予約は公式オンラインショップから! Apple ドコモ au ソフトバンク 楽天モバイル ソフトウェア開発者にとって、なくてはならないサービスとなっているGitホスティングサービス「GitHub」。 同サービスは、個人・企業のどちらも無料で利用することができることから、英語のサービスでありながら、日本でも活用している開発者は多いが、いよいよ日本語Webサイトが開設されるようだ。 YouTubeチャンネル「Koh Aoki」が公開した「二度目の正直 GitHubオフィスに潜入してきました!」という動画の中で、GitHubのマーケティング担当である長島理恵氏は、「GitHub」の日本語Webサイトを近々公開予定であることを発表。 これにより、今後は日本の開発者もGitHubのサービスを利用しやすくなることが予想される。Macお宝鑑定団Blogによると、公開
最近インタビューを受けたりプレゼンをしたりという機会がたまたま重なって、今までの自分のゲーム体験を振り返る機会が多くあった。 このインタビューでは、ポケコンから始まるマイコンとの出会い、ベーマガのゲームを打ち込んで遊んだ原体験、私から見た最近のインディーゲーム制作シーンを話した。 Tokyo Indiesのシューティングゲーム特集のプレゼンでは、今まで作ったシューティングゲームを元に、シューティングゲームのアイデアを考える方法の一案を話した。 2024年初頭に、1DパックマンPaku Pakuが海外圏で話題 になって、それをきっかけにmatt sephton さんからインタビューを受けた。ここでもマイコンやベーマガ、あとはナムコのアーケードゲームから受けた影響などを話した。 このインタビューでの質問の一つが「お気に入りのビデオゲームを5つ挙げてください」だった。これは答えるのが難しい。なに
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