ブロック積み職人は、ちょっとくらいの地震がきてもビクともしないブロック塀を作るために、縦にも横にも分断線ができないようにブロックを工夫して積み上げています。分断線とは、図1(a)に太線で示すように、ブロックの縁で構成された1本の線分で、塀を縦断または横断する線分のことです。 図1に示すサイズ5×6の塀は、どちらもサイズ1×2のブロックを15個使っています。図1(a)には縦方向の分断線が1本存在しますが、図1(b)に示すものには分断線が1本もないので頑丈です。 実はp、q?5で、p、qの少なくとも一方が偶数のとき(ただしp=q=6の場合を除く)、またそのときに限り、サイズp×qの塀に分断線が1本も生じないようにブロックを積み上げることができます。このことはR.グラハムによって数学的にも証明されていますが、職人さんたちは経験的にこのことを知っているようです。 ではp=q=6の場合、分断線が現れ