和食らしいメニューのひとつである「茶碗蒸し」。旬の具材となめらかな舌触りが魅力で、定食についてくると「ラッキー!」と思うひとも多いだろう。 鍋や天ぷらで人気のマイタケは、タンパク質を分解する酵素を持っているので茶碗蒸しの具には使えず、作ろうとしても卵スープができあがってしまう。デザートの定番・ゼリーも同様にたんぱく質が利用されているので、キウイやパイナップルを大量に入れると、固まらずにフルーツ・ジュースになってしまうのだ。 ■マイタケの酵素が卵を変える 茶碗蒸しのベースは卵と出汁(だし)で、器に入れて加熱するとプリンのように固まる。これは卵に含まれたタンパク質が熱によって変性(へんせい)するためで、ゆで卵と同じメカニズムだ。卵以外のタンパク質でも熱変成するものは多く、ホット・ミルクを作るさいに表面にできる「膜」も熱変成によるものだ。 多くのタンパク質は、一度固まってしまうと冷やしてももとの