「キャリアデザインマガジン」第89号に掲載した書評を転載します。 労働市場改革の経済学 作者: 八代尚宏出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2009/11/20メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 76回この商品を含むブログ (13件) を見る 著者は長年にわたって規制改革会議や経済財政諮問会議など政策の分野の第一線で活躍し、近年のいわゆる「構造改革路線」の中で大きな存在感を発揮し続けている。とりわけ雇用問題においては、著者の専門分野であるだけに、他のエコノミストたちとは一線を画する現実を踏まえた的確な議論を展開してきた。本書は、著者の名著として知られる『日本的雇用慣行の経済学』の基本的な考え方を、その後の日本の労働市場問題にあてはめたものであるという。 世間では往々にして「日本的雇用慣行は公平だが非効率」といった俗論が聞かれるが、著者は『日本的雇用慣行の経済学』の当時から一