【科学力】 5年間で550億円を投じた国の大型研究プロジェクトが今年度、終了した。内閣府の「革新的研究開発プログラム」(ImPACT)だ。ロボットやレーザー、もの作りなど16のテーマについて、「ハイリスク・ハイインパクト」の研究開発を国の主導で進めるものだ。 だが、評価は思わしくない。内閣府は昨年、全プロジェクトの予備評価の結果を公表したが、SABCの4段階評価でSがついたのは一つだけだった。 評価だけでなく、成果の公表のあり方をめぐっても一昨年、「粉飾」ともとられかねない発表が相次いで物議をかもした。 脳研究のプロジェクトチームは、カカオ成分の多いチョコを食べると脳が若返ると発表したが、検証による裏付けが不十分と批判され、内閣府が発表の経緯を検証する事態になった。 また、まったく新しい原理で作動する次世代の「量子コンピューター」をめざすプロジェクトチームは、従来と同様の原理で動く電子回路
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