ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/reizei (25)

  • 日本学術会議が研究成果の軍事利用に慎重になるのは当然

    <日技術力が軍需に囲い込まれていくと、民生品を中心に発展を遂げた日技術力は衰退する> 科学技術研究の成果を軍事利用しないという、日学術会議の宣言が話題になっているようです。この問題ですが、「自分たちは人を殺すための研究はしたくない」という強い感情や、戦後日が軽武装国家を選択したことを前提とした政治的な立場の表明という部分はあるかもしれません。 ですが、そこを論点にしてしまえば、それこそアメリカにおける左右対立のように、国論を二分して感情論の対決に行き着きます。結果として、合意形成も難しくなってしまいます。 そうではなくて、実務的な理由を中心に議論することを提案したいと思います。 一般に軍事技術というのは、民生用技術と表裏一体の関係があります。19世紀から20世紀にかけてもそうで、平和な時代には民生品の発展向上に使われた技術が、戦争目的に転用されたこともあるし、戦時に軍需目的で研

    日本学術会議が研究成果の軍事利用に慎重になるのは当然
    SigProcRandWalk
    SigProcRandWalk 2020/10/16
    日本でデュアルユースの話だと「非軍事(民生)予算で、転用可能なら軍事でも使う」という選択肢が出てこないので(←問題ないのに)、「民生向け研究費を減らして防衛予算を増やしたい」んじゃないかと疑ってる
  • トランプ降ろし第3のシナリオは、副大統領によるクーデター

    トランプロシア疑惑はニクソン大統領を辞任に追い込んだウォーターゲート事件を連想させるが、「トランプ降ろし」には弾劾だけでなく「副大統領と閣僚によるクーデター」という方法もある> 先週9日に、FBIのジェームズ・コミー長官がトランプ大統領によって突如解任されたニュースは、週明け15日になってもトップニュース扱いが続いています。 当面の問題は、FBIの次期長官に誰がなるかですが、民主党は「ロシアとの癒着疑惑に関する特別検察官を設置しないとFBI長官の承認審議には応じない」という、強硬姿勢を崩していません。この特別検察官設置については、15日に発表されたNBCとウォール・ストリート・ジャーナルの合同世論調査では78%が「必要だ」としているわけで、大変に深刻な事態です。 ロシア疑惑関連では、15日「ワシントン・ポスト(電子版)」が伝えたところによると、先週トランプ大統領がロシアのラブロフ外相と

    トランプ降ろし第3のシナリオは、副大統領によるクーデター
  • 北朝鮮危機には「現状維持」以外の解がない

    北朝鮮側に核開発を放棄する意思がない以上、現状維持以外に落とし所はない。トランプ政権の平静さには、米中が主軸となって圧力をかけ続けるしかないという覚悟は感じられる> 北朝鮮は依然として、長距離弾道ミサイル(ICBM)の保有を誇示しつつ、新たな核実験の可能性を否定していません。これに対して、アメリカは2つの空母打撃群を北朝鮮の近海に派遣するとともに、ペンス副大統領が韓国、日など東アジア諸国を訪問して圧力をかけています。 一方で、中国の習近平政権は、言葉では米国と北朝鮮に自制を求め、両者の対立を批判していますが、その一方で中国国際航空の北京=平壌便の運航を停止し、北朝鮮への団体ツアーを中止するなど独自の制裁を行っているようです。この中国の動きは、フロリダでの米中会談を受けた行動として映ることから、政治的には米中連携を誇示する効果はありそうです。 そんな中で、米国のトランプ政権、メディア、世

    北朝鮮危機には「現状維持」以外の解がない
  • シリア情勢、北朝鮮情勢に対して米世論が冷静な理由

    シリア空爆は衝撃だったが、これ以上の行動はできないという見方も(写真は、ニューヨークでシリア空爆に抗議する人たち) Stephanie Keith-REUTERS <シリアと北朝鮮をめぐる情勢は緊迫しているがアメリカ世論は至って冷静。シリア空爆以降、トランプ政権がこれ以上の軍事行動に出ることはない、という見方が広がっているため> トランプ政権は、先週6日にシリアのアサド政権の空軍基地を突如空爆した一方、同時に行われていた米中首脳会談を終えると、北朝鮮危機に対処すべく、空母USSカールビンソンを母艦とする空母打撃群を朝鮮半島に向けて派遣しています。 シリア情勢も、北朝鮮情勢も、「風雲急を告げている」ようなのですが、週明けのアメリカでは、実はどちらのニュースも関心が薄れつつあります。例えば、今週10日月曜の夕方のニュースのヘッドラインは、 (1)カリフォルニア州の小学校へ担任の夫が乱入して銃で

    シリア情勢、北朝鮮情勢に対して米世論が冷静な理由
  • トランプはなぜメディアを敵視し、叩き続けるのか?

    <まるで選挙期間中のようにラリーで演説を行うトランプ。そこにはメディアを「敵」に仕立ててトランプ劇場を続けざるを得ない事情が> 先週以降、トランプ政権の周辺は大荒れになっています。マイケル・フリン大統領補佐官(国家安全保障担当)が13日に辞任し、その後大統領自身が単独記者会見に臨んだものの、メディアとの確執がエスカレートするばかりの結果に終わりました。 先週末は「プレジデント・デイ」という国民の祝日で、多くの職場や学校は3連休になりました。そこで、というわけかどうかは分かりませんが、トランプ大統領はこの週末もフロリダ州の「マー・ラーゴ」リゾートで過ごしました。 この、週末ごとのフロリダ滞在は、移動の費用をはじめ、警備の費用もバカにならないようで、これまでの3回の合計が1000万ドル(約11億3000万円)という莫大な経費がかかっていることから大きな批判を浴びています。そんな中、今週は「大統

    トランプはなぜメディアを敵視し、叩き続けるのか?
    SigProcRandWalk
    SigProcRandWalk 2017/02/22
    やっぱりみんなそう思うよね。 / "まるで2015年~16年のような「選挙戦」を再開したのです"
  • フリン補佐官失脚が意味する、トランプ政権の抱える脆さ

    <フリン辞任の背景には様々な憶測が流れているが、米メディアはこれをきっかけにトランプ政権の「ロシア・スキャンダル」を格的に追及する構えだ> トランプ政権のマイケル・フリン安全保障補佐官が週明けに辞任したニュースには、衝撃が走りました。基的には補佐官に就任する前の昨年12月にロシア大使に電話して経済制裁の解除問題について相談したという疑惑、そしてこの件に関してペンス副大統領にウソをついたのが理由だとされています。 ですがこの辞任劇、いろいろとよく分からない点があります。1つの問題は、これは政争なのかという疑問です。フリン氏の背後には、草の根のトランプ支持者がいる一方で、今回の失脚劇には、CIAやFBI、さらには民主・共和両党の「上院情報委員会」の存在がチラついているという見方があります。 さらに言えば、フリン氏が失脚する数時間前になっても「大統領はフリン氏に全幅の信頼を寄せている」と話し

    フリン補佐官失脚が意味する、トランプ政権の抱える脆さ
  • ウソを恥じないトランプ政権に、日本はどう対応するべきか

    <80年代の感覚で日批判を続けるトランプがやっかいなのは、「劇場型パフォーマンス」のためには平然とウソをつくところ>(写真:今週TPP離脱の大統領令に署名したトランプトランプ大統領は今週23日に、大企業の経営者などとの会合で、規制緩和や法人税率の緩和など「企業優遇政策」を口にした一方で、日中国の通商政策を批判しました。要するに、貿易赤字が大きいのは問題だとか、それぞれにアメリカ製品を売りにくくしているなどという内容です。 また「いつものトランプ節」というわけです。選挙戦の時からずっと、言い続けていますが、ファクト・チェックを行えば簡単に反論できる内容です。 まず、基的に日への批判というのは、80年代のレトロ感覚で言っているだけであり、自動車産業に関して言えば、現在は現地生産比率が非常に高くなっており、部品産業を含めてアメリカで巨大な雇用を創出しています。 また、日で「アメ車

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  • トランプ支持者が抱える、ある深刻な分裂

    <当初からトランプを支持してきた「民主党的」政策を求める支持者と、選挙戦終盤から勝ち馬に乗った「共和党流」の間には、志向する政策上、深刻な分裂がある>(写真:今月11日に就任直前の会見に臨むトランプファミリーと政権以降チーム) トランプ政権の発足にあたって、非常に気になる点が1つあります。それは大きく異なる2つの支持層に支えられているということです。 政権運営が好調に推移すれば、この点は大きな問題になることはなく、任期を過ごしていくこともあり得ます。ですが、何か大きな壁にぶち当たるのであれば、この支持層にある「分裂」という問題は大きく立ちはだかり、支持率を低下させ、政権求心力を失うことにも繋がりかねないものです。 まず、トランプ氏の「コアの支持層」、つまり選挙戦の初期から支持をしてきた層の期待感というのは、次のようなものです。 ・アメリカ国内に力強い雇用を回復してほしい。 ・医療保険改革

    トランプ支持者が抱える、ある深刻な分裂
  • 選挙戦最大のピンチに追い込まれたトランプ

    <対ヒラリーで見たトランプの支持率が急落している。焦点になっているのは、乱射事件への対応のひどさやあくまでも銃規制に反対する姿勢、そして共和党主流派との対立だ> 共和党予備選で過半数を越える代議員を獲得して「統一候補」とみなされているドナルド・トランプですが、ここへ来て選挙戦が始まって以来の最大のピンチを迎えています。何よりも支持率が急落しています。政治情報のポータルサイト「リアル・クリア・ポリティクス」によれば、直近の世論調査では、 ■CBSニュース・・・ヒラリー43%、トランプ37% ■ブルームバーグ・・・ヒラリー49%、トランプ37% など、ヒラリーとトランプの差が急速に開いていて、6月後半に結果の出た複数の調査の平均値では、「ヒラリー44.0%」対「トランプ38.4%」とハッキリと差が出てきています。 なかでも衝撃的なのは、ABCテレビとワシントンポストが合同で実施した調査で、トラ

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    SigProcRandWalk
    SigProcRandWalk 2016/06/17
    思ってたより早かった。
  • 伊勢志摩サミットの「配偶者プログラム」はとにかく最悪

    <日でサミットなどの国際会議が開催されるたびに繰り返される、首脳配偶者を「豪華に」おもてなす勘違いプログラム。特に今回の伊勢志摩サミットでは参加者も少なく、内容も最悪だった>(写真は伊勢志摩サミットのプログラム) 2008年の洞爺湖サミットの際に福田貴代子首相夫人(当時)が主宰した「配偶者プログラム」で、十二単の着付鑑賞や豪華な茶会という内容が悪評を買ったのに続いて、2010年のAPECでも菅伸子首相夫人(当時)による「坐禅体験」とか「ハイテク丹後ちりめんファッション」など、「社会性の欠如」した企画が続いたことについては、このコラムで厳しく批判してきた通りです。 伊勢志摩サミットでは安倍昭恵夫人が何らかの改革してくれるのではと期待しました。しかしサミット参加首脳9人のところ、配偶者プログラムへの参加者は主宰の安倍夫人を含めて4人だけという結果に終わりました。安倍昭恵氏の他には、EUの事実

    伊勢志摩サミットの「配偶者プログラム」はとにかく最悪
    SigProcRandWalk
    SigProcRandWalk 2016/06/10
    冷泉氏の指摘を広く伝えて考え方を変えてもらうしかない。ちなみにこの記事は読んだ瞬間に「あっ、なるほど」となる話なので、この指摘を知れば案外対応は早いのではないだろか。
  • 「一億総活躍社会」の目標設定は意外とシリアス

    内閣改造にあたって安倍政権は「一億総活躍社会」というスローガンを掲げて、その担当大臣を任命しました。確かに、この「一億総活躍」が現時点では分かりにくいという印象は否定できません。まず、これは「アベノミクス」の「第二弾」であり、その全体的な目標として「3つの方針」が設定されており、その1番目としては、GDP600兆円を達成するということになっています。 そしてこの目標も、「何故600兆円なのか?」あるいは「いつまでに600兆円を達成するのか?」といった点が「曖昧な目標」だと言われても仕方がないでしょう。悪く言うなら、この「600兆円」というのは、いわば「景気づけのための掛け声」のようなものだとも言えます。 では、この「一億総活躍」はまったくの「内容のカラッポなスローガン」なのでしょうか? 必ずしもそうではないようです。というのは、「2番目」と「3番目」には極めて具体的な目標が設定されているか

    「一億総活躍社会」の目標設定は意外とシリアス
  • 手詰まり感が濃厚になった北陸新幹線の「福井先行開業」

    今年2015年3月14日に長野~金沢間が延伸開業した北陸新幹線は、現時点では西へ延ばし福井経由で敦賀までのフル規格整備が決まっています。建設を担当する鉄道・運輸機構も、開業後実際に運行するJR西日も「金沢~敦賀間は2022年に開業」という計画を前提に工事や準備を進めていました。 ところが、今年に入って雲行きが変わって来ました。自民党内の「与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム」の座長が、亡くなった町村信孝前衆院議長から稲田朋美政調会長に変わると共に、「福井先行開業」の声が大きくなってきたのです。目標は「2020年、オリンピックの年」に福井先行開業を実現するというのです。 この「金沢~福井間」ですが、既に様々な準備はされています。例えば、今回の金沢延伸に伴って建設された「白山車両基地」は金沢駅から福井へ向かって約10キロ西へ行ったところにありますから、この区間は既に完成しているわけです。

    手詰まり感が濃厚になった北陸新幹線の「福井先行開業」
  • 「維新」の「小さな政府論」はどうして行き詰まったのか?

    大阪市に関する「市の解体と5区の設置」を問う住民投票は否決に終わりました。橋下徹市長は政界引退を表明し、同時に江田憲司・維新の党共同代表も辞任するという声明を出しています。これは、大阪の府市合併論が行き詰まっただけでなく、「維新」という政治勢力の行き詰まりでもあります。 私は「維新」、特に「大阪維新」に関しては、大阪以外の地方の活性化に応用できる点が少ないことや、大阪の実体経済成長への計画が具体的でないことから、積極的な支持はして来ませんでした。ですから、今回の「行き詰まり」に関して大きな感慨はありません。 ですが、1つだけ気になることがあります。それは「維新」とは「小さな政府論」だったということです。 日には「右も左も大きな政府」という政治風土があります。まずリベラルな立場には福祉の充実や再分配による格差の是正など「大きな政府論」が根にありますが、これは世界各国ほぼ共通の現象だと思い

    「維新」の「小さな政府論」はどうして行き詰まったのか?
  • 安倍首相の米議会演説は日米関係の「現状維持」を確認しただけ

    今回の安倍晋三首相の演説ですが、上下両院の合同会議ということで毎年始めに大統領が行う年頭一般教書演説と同じスタイルで行われ、外交儀礼としては格式のあるものであったと思います。首相も相当に準備して臨んだということをうかがわせる演説でしたが、内容に関しては、全体的に「現状維持」という色彩が強く、新鮮味はありませんでした。 まず、第2次大戦メモリアルに献花をしたことを述べて戦没した若き米兵たちに追悼の意を表明したこと、硫黄島の戦いの当事者双方を代表する形で、スノーデン氏という米軍の元中隊長と、日側の栗林忠道大将の孫である新藤義孝議員に握手をさせたというのは演出としては悪くなかったと思います。 ですが、この硫黄島での和解と友情のストーリーをもって、戦争和解の全体に拡大するのは無理があると思います。要するに「思い切り戦ったからこそ今の友情がある」というのですが、そこには「戦いに至った」ことへの反省

    安倍首相の米議会演説は日米関係の「現状維持」を確認しただけ
    SigProcRandWalk
    SigProcRandWalk 2015/05/01
    個人的にはもう少し落ち着いてからでないと冷静でいられない気がしてる。あちこちで自画自賛、煽り煽られが凄くてもう何が何だか… あと帰国する頃には得失の分析が出始めるのでは。
  • 中国主導のAIIBに急いで参加する必要はない | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    はAIIB(アジアインフラ投資銀行)の創設メンバーには入りませんでした。アメリカも同様でしたが、その一方でヨーロッパ各国は出資することになりました。日米が孤立したように見えるとか、中国主導の経済に乗り遅れていいのかといった議論もあるようです。 ちなみに、アメリカでは経済界を中心に「オバマがアッサリと無視した」ことへの反発が出ています。中国経済との結びつきの強い現在のアメリカ経済においては、自然な発想とは言えるでしょう。ですが、今のところは大きな論争にはなっていません。アメリカとしては、政界も財界も静観の構えです。 現時点で日アメリカもAIIBに入った方が良かったのでしょうか? あるいは事態の推移を見守るのがいいのでしょうか? 現時点で言えば、私は「静観」で良いと思います。 というのは、おそらくは理念という意味でも実務という意味でも、このAIIBという金融機関の立ち上げは全くの準備段

    中国主導のAIIBに急いで参加する必要はない | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
  • 三原議員「八紘一宇」発言は笑えない問題

    3月16日の参議院予算委で、与党議員として内閣に対する質問を行った自民党の三原じゅん子議員は「八紘一宇」という大戦中のスローガンを肯定的な意味で使用したばかりか、「日が建国以来、大切にしてきた価値観」という発言までしています。 すでにこのニュースには色々な論評がされていますが、念のため確認をしておきますと「八紘一宇」とは元来は日書紀の中で、神武東征伝説に関連付けて「日全国を1つに」というニュアンスで登場した言葉です。それが、戦時中にはいわゆる「大東亜共栄圏」という構想と結びつけられて「全世界をひとつの家のようにする」という意味に拡大されています。これでは日軍の侵略のスローガンだとされても仕方がありません。 三原議員の発言ですが、話題としては大企業が「タックスヘイブン」、つまり租税回避地を使って「節税」をする問題を批判する文脈で飛び出したようです。「八紘一宇の理念の下に、税の仕組みを

    三原議員「八紘一宇」発言は笑えない問題
  • 日本の「テロ対策」8つの疑問

    イスラムテロ組織「ISIL」の日人人質殺害事件を受けて、日のテロ対策のあり方が議論されていますが、安倍政権の反応、それに対する批判ともにちぐはぐな印象を拭えません。一連の議論で浮かんだ疑問を整理してみました。 (1)アメリカ人女性ボランティアの殺害が確認されたことを受けて、安倍首相は「深い悲しみに包まれている」と述べ、アメリカに「連帯を表明」しています。一方で日人人質の殺害に対して政権や与党からは、「痛恨の極み」、「強い怒り」という事件への感想が先行し、死者に対して「蛮勇」だという非難も浴びせられました。今回の悲劇に際しては、何よりも自国の死者や遺族への最高の礼節を示すのが「為政者の常識」だと思うのですが、そうした考え方は古いのでしょうか? (2)その背景には「自己責任で危険を冒した」人間のために「国策」が左右されるのは「迷惑だ」という発想があるように見えます。ですが、仮に「迷惑」で

    日本の「テロ対策」8つの疑問
  • 『永遠の0』の何が問題なのか?

    先月に一時帰国した際、評判の映画『永遠の0』を観ました。また、小説も評判であるというのでこちらも読みました。どちらもプロの仕事であると思います。技術的に言えば、ストーリー・テリング(物語の展開)だけでなく、セッティングやキャラクターの造形、そして何よりも時空を超えた大勢のキャラクターが、物語の進行とともに「変化していく」効果が見事です。 キャラクターの「変化」というのは、「成長」したり「相互に和解」したり、あるいはキャラクターに「秘められていた謎」が明かされたりしてゆくという意味です。そうした効果を、時空を超えた複数のキャラクターを使って、しかも2000年代と第二次大戦期という2つの時間軸の中で実現している、そのテクニカルな達成はハイレベルだと思います。 更に言えば、老若男女の広範な層にまたがる読者あるいは観客は、多くのキャラクターの中から自分の感情を投影する対象を見出すことができるように

    『永遠の0』の何が問題なのか?
  • 安倍首相はダボスで何を言ったのか? | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    安倍首相はスイスのダボス会議の席上で、海外の記者との懇談の際に、英『フィナンシャル・タイムス』のギデオン・ラッチマン記者から「日中国の関係が戦争(war)に発展する可能性がある(conceivable)のではないか」と問われたところ、「今年は第1次大戦から100年を迎える年。当時、英独は大きな経済関係にあったにもかかわらず第1次大戦に至った歴史的経緯があった」と説明したといいます。 この「事件」に関しては、通訳が余計な文言を追加したためにトラブルが大きくなったという解説もあるようです。事の真相は、仮にビデオなり音声が残っているのであれば、それを検証する必要があると思いますが、問題は、このラッチマンという記者だけでなく、多くの有名なジャーナリストが「安倍発言に驚き、かなり深刻な報道をしている」という事実です。 特にアメリカのネット誌『インサイダー』のCEOであるヘンリー・ブロジェット氏は

    SigProcRandWalk
    SigProcRandWalk 2014/01/28
    ただね、ダボス会議で中国政府高官が場を凍り付かせた[ http://b.hatena.ne.jp/entry/geopoli.exblog.jp/21943948/ ]というニュースを合わせて読むと、安倍首相の問題発言も可愛いもんじゃないかとさえ思えてくるんだ。これは実感。
  • 「安倍靖国参拝」、アメリカの許容範囲はどこまでか?

    昨年末に安倍首相が行った「靖国参拝」に関しては、駐日アメリカ大使館並びにアメリカの国務省省から「失望」というコメントが出ています。この点については「これで日米関係が悪化する」とか「米中接近のきっかけになる」というレベルのものではないし、まして、この事件を受けて、アメリカの一般の世論における対日感情が悪化するということはないと思われます。 アメリカは年始以来、異常な気象状況が続いています。特に「ポーラー・ヴォーテックス(極渦、北極からの低気圧)」が吹き込んだ寒波のために、西海岸とフロリダ半島の先以外の北米大陸は記録的な低温となりました。私の住むニュージャージー州でも7日の火曜日は、快晴であるにも関わらず最高気温が華氏11度(摂氏マイナス12度)という厳しい寒さになりました。 ですから、ニュース報道としては「それどころではなかった」のです。ですが、そうした異常な状況がなくても、「安倍参拝問題