T・J・ペンペル●カリフォルニア大学バークレー校政治学教授。同校東アジア研究所所長(2002~2006年)。前歴はシアトルのワシントン大学国際研究ジャクソン校教授兼政治学非常勤教授。それ以前はコーネル大学東アジアプログラム部長(1972~1991年)。主な研究および教育指導内容は比較政治学、政治経済学、現代日本、アジア地域主義など。著書は『東アジアの安全保障協力』、『東アジアの再計画』、『地域の建設』など。日本メディアにおける知名度は低いが、米国政権中枢がもっとも頼りにする日本専門家である。 安倍晋三首相の下で2つの変化が起こっている。第1に、安全保障そのものの変化と、自衛隊の用途をめぐる解釈の拡大だ。その大部分の変化は小泉純一郎首相時代にさかのぼり、おそらく何らかの意味では中曽根康弘首相時代にまでさかのぼるものだ。自衛隊のイラク派遣、アフガニスタンでの給油による米軍への後方支援、防衛庁の