記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 近年の日本では企業の成長手段としてM&A(企業間の買収や合併)が一般的に用いられている。ところが実際は、M&A後の企業統合は難航を極めることが多い。それはなぜだろうか。 合併前後で組織の「質」はどう変化? M&A論における「成功」と「失敗」は、株価や企業価値の増減といった「量」で評価され、語られることが多いが、本稿ではこれまで展開してきた「企業の老化度」という観点、ことに合併の前後における「質」の変化に焦点を当てて成否を論じてみたい。 多くの経営者のM&A後の大きな関心事の1つに「組織間の融合」がある。多くの会社は合併後しばらくすると、「もう融和が完了し、1つになった」とアピールする。 しかしこれは、エントロピー増大の観点からすると、強い違和感を覚えざるをえない。 おまけに、経