私が継続して購読している日本の雑誌はさほど多くないが、その中の一つに「中央公論」がある。言うまでも無く論壇誌の個別の論説には良し悪しがあり、その責任はそれぞれの著者が負うものではあるが、定期刊行される雑誌には世の議論の知的水準を高水準で確保し、一種の社会インフラとして維持しつづける義務があるだろう。曲がりなりにもそれをそこそこ果たしているという意味で好感を抱いている。 今回は、2月号に掲載された鳥居民氏の「日米開戦にいたる海軍の不作為」を推薦しておきたい。具体的な内容は同誌を読んでいただく事になるが、簡単に内容の一部を紹介しつつ思うところを述べてみたい。 まず、日米戦に至る決定的な要素が南部仏印進駐であったことは、以前の関連するエントリでも書いたが、広く知られている事実だ。そこに至るまで、もちろん北部仏印進駐からの問題ではあるが、陸海軍や政治家がどういう論理で動いてきたかが適切にまとめられ
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