マンションの耐震制が十分では無いと言う議論がある。昭和56年の新建築基準法で最低限の耐震基準が定められており、さらに平成12年から住宅性能表示制度で最低限以上の耐震等級が定められた。しかし、この規制は二つの方向で問題があるようだ。 一つは高い耐震等級を持つ新築マンションは1割にも満たず、震度6以上の大地震*1でコンクリート構造物として継続利用ができなくなる可能性のある物件が大多数となっていることだ。一つはコンクリート構造物として地震に耐えても、集合住宅としてマンションの継続利用が不可能となるケースがあることだ。 後者は東日本大震災で問題が広く知られるようになった。同災害では昭和56年基準のマンションで、コンクリート構造物として大破したものは皆無で、中破したものも0.09%(34棟)に過ぎない。しかし、コンクリート構造物としてとして倒壊0棟にも関わらず、集合住宅として全壊100棟と言う深刻な