プログラマーとして入社した私は、任天堂の人気タイトルに関わりたいとずっと考えてきました。ところがある日、上司から「次はWii Uの『Splatoon(スプラトゥーン)』のチームだよ」と言われた私は、思わず「何ですか、それは?」と聞き返しました。『スーパーマリオ』や『どうぶつの森』などのシリーズとは違ってまったく新しいタイトルでしたし、すごく不安な気持ちでチームに合流したのです。ところがそんな不安は一瞬で消え去りました。すでに開発をはじめていた先輩たちからすごい熱気を感じましたし、「いままでに体験したことのない、新しい遊びが作れそうだ」と思ったのです。 このゲームを世に出すために、個性豊かな開発スタッフたちがそれぞれ、自分がいいと思うものをひたすら詰め込むような感じで開発は進んでいきました。それはある意味で“悪ノリ”に近い感じだったのですが、その雰囲気にのまれて、私がある“遊び”を入れたのは