2008年にノーベル物理学賞を受賞した名古屋大素粒子宇宙起源研究機構長の益川敏英さんの市民向け講演会が21日、つくば市大穂の高エネルギー加速器研究機構で開かれた。今春完成し、益川さんとノーベル物理学賞を同時受賞した小林誠さんにちなんで名付けられた「小林ホール」が会場として使われた。 益川さんは講演の中で、「科学的な精神」について「あやしげなものは絶対に許さない精神だと思う。科学を支えているものをきちんと理解することは、科学現象が複雑になっているいま、必要なこと」などと語った。 講演後の記者会見で、最近の若手研究者について「ロマンを持っていないというか、はちゃめちゃなエネルギーを感じない。たとえ方向が間違っていても、それが科学を進歩させる原動力だと思う」と述べた。科学分野の研究費削減が議論となった「事業仕分け」については、「パフォーマンスとしてやることではない。ただ、限られた予算である以上、