(2011年4月24日にアップしたmixi日記の再録です) ※以下の文章で横溝正史『獄門島』の真相部分について触れています。『獄門島』未読の方はお読みにならないでください(なお、今回の日記には「つぶやき」はありません)。 昭和五十年代の横溝正史ブームのさなかに出版され、話題を呼んだ一冊の本がありました。 佐藤友之『金田一耕助さん・あなたの推理は間違いだらけ!』(青年書館・1978年1月刊)。 同年の8月には2集が出版され、その後、この二冊からの抜粋で総集版も編まれました。 本のコンセプトを簡単に説明すると、横溝正史作品の粗探しをして、それを金田一耕助の推理ミスと見立てた上で「真相」を提示するというお遊び。 個人的には、誤読や誤解・曲解が多々見られる内容で良い印象を持っていないのですが、それについてはここでは触れません。 取り上げたいのは1集の第三章「獄門島の盲点」における、ある指摘です。