とんでもないライブだった。 「感動した、立てないくらい」 「本気なんだよ。本気だから伝わる」 グリーン・ステージから立ち去ろうと会場内を歩いたとき、フジロッカーたちのそんな声を耳にした。ライブを観終わって放心状態の自分も同じ気持ちしかなかった。きっと物語の旅路の終わりとともに、大きなメッセージを受け取ってしまったからだ。 GEZANの最新作『あのち』は、2021年にレッド・マーキーの大トリで共演した総勢15名のコーラス隊Million Wish Collective(以下、MWC)とともに製作した渾身の一枚だ。GEZANという核が巨大な力を得たようなこの大所帯バンドは、とんでもないエネルギー集合体として演奏を繰り広げ、リスナーの度肝を抜いてきた。 ところが、マヒトゥ・ザ・ピーポー(Vo&G)は、この巨大な生命体を終わらせることにした。X(旧Twitter)でも「ライブでも話したけど、MWC
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