秋の澄んだ空気が、「明窓浄机(めいそうじょうき)」という言葉を思い起こさせ、読書に好適の季節が到来したことを告げる。いま、読書週間の最中である。 先ごろ発表された平成20年度の「国語に関する世論調査」(文化庁実施)報告書によれば、1カ月に何冊本を読むかとの問いに、「読まない」と答えた人が46・1%にも上った。14年度調査に比べて約9ポイントも増えており、国民の「読書離れ」が急速に進んでいることがうかがえる。 国会は平成17年に「文字・活字文化振興法」を制定し、読書週間スタートの日の毎年10月27日を「文字・活字文化の日」と定めた。また昨年には、平成22年を「国民読書年」とする決議も採択している。国民が新聞などの活字にもっと親しみ、読書への意欲を高められるよう、国を挙げての取り組みが行われているのだ。 最近は読書離れもさることながら、読書の形態も著しく変化している。若者世代を中心にした「ケー
勝手なことを暢気(のんき)に言い募ることを「太平楽を並べる」というが、語源は雅楽の太平楽からきている。はるか昔に大陸から伝来し、平安時代に様式が整えられたという。明治以降は天皇陛下御即位に際して必ず舞われるようになったおめでたい舞楽である。 ▼風雅の道にも疎い小欄ではあるが、その太平楽を今上陛下御即位20年を記念して開かれた演奏会で運良く鑑賞できた。平成2年11月、即位礼後の饗宴(きょうえん)でも演奏されたが、序、破、急を通しての演奏はまれだそうで、まさしく百聞は一見にしかずだった。 ▼平和なのんびりした舞をイメージしていたが、そうではなかった。金色(こんじき)の兜(かぶと)をかぶり、鮮やかなオレンジの装束に身を包んだ4人の舞人が、笙(しょう)、篳篥(ひちりき)の音色にあわせて鉾(ほこ)を振りかざし、太刀を抜いて演じる勇壮な「武の舞」である。 ▼舞人が身につける甲冑(かっちゅう)は重さ15
東京都の石原慎太郎知事は16日の定例会見で、鳩山政権が無駄な事業を削る事業仕分けを導入しようとしていることに関連して、「国のやっていることは、優先順位がさっぱり分からない」などと述べた。この日の会見の詳報は以下の通り。 ◇ 「冒頭、私から一つ申し上げます。11月1日から4日までですね、例のアジア大都市ネットワーク21の8回目の総会に出席するため、バンコクに参ります。総会では危機管理や感染症対策など共同事業の1年間の成果について報告し合うとともに、観光政策や新型インフルエンザ対策についての意見交換を行うことになっております。東京からは特に地球温暖化対策について排出量取引の導入やICAPへの加盟など都の先進的な政策を紹介するとともに、COP15を目前にアジアの大都市間で改めて危機感を共有して連携した取り組みを行っていくことを訴えたいと思います。また、世界的な流行の拡大を見せてお
大阪府の橋下徹知事が全職員あてに、税金に対する意識の低さを嘆くメールを出したところ、ある職員が反論する返信を出した。知事は「物言いが非常識だ」と激怒。一連のやりとりを府幹部らに転送し、この職員の処分を検討するよう指示した。府庁内では知事の態度を「度量が狭い」と疑問視する声もある。 発端は、1日夜に知事が送信したメール。利水からの撤退によって府の損失が386億円に上った紀の川大堰(和歌山県)をめぐり、議会で原因を淡々と説明するだけだった府幹部について「何事もなかったかのよう。給料が保障される組織は恐ろしい」などと書き、全職員に送った。 2日昼、ある職員が「責任は(投資を)決断した人にある。こんな感覚の人が知事である方が恐ろしい」と職員を責める知事を批判する返信をした。「愚痴はご自身のブログ等で行ってください。メールを読む時間×全職員の時間を無駄にしていることを自覚してください」ともたしな
大阪府の橋下徹知事は8日、知事へのメールの中で「愚痴はブログ等で行って下さい」などと表現した技師級職員を、口頭で厳重注意処分する考えを示した。今後、同様の事案が発生した場合は、人事評価に反映させる意向という。 橋下知事などによると、1日、税金に対する意識の低さを指摘するメールを全職員に送ったところ、この職員から反論があった。職員はメールの中で、「メールを読む(職員の)時間を無駄にしていることを自覚して下さい」などと書き、知事に返信した。 橋下知事によると、これまでに100人程から知事を「おまえ」呼ばわりするようなメールを受けてきたが、受け流してきた。しかし今回は、民間出身の副知事から「組織として非常識」との意見を受け、メールに対しては初めて処分することを決めた。橋下知事は「意見交換なら分かるが、組織のトップに対するモノの言い方ではない。職員はどう発言すべきか、示すために厳しく対処した」
「正論」十月号に現在の保守派の水準を表わす論文を見つけた。評論家で拓殖大学大学院教授の遠藤浩一の「自民敗れども保守は亡びず」である。衆院選で民主党は自民党を破ったけれど保守精神は実は民主党の中に生きている、ということだろうか。常識を覆す新見解だな、と読み始めたのだが、自民党の腑甲斐(ふがい)なさを嘆き、民主党へ疑問を呈し、それでも保守精神は健在だと結論づけるだけ。何だ、こりゃ。タイトルと全然違うぞ。と思ってタイトルをよく読み直すと、あーら恥ずかしや、日本語が間違っているのだった。 このタイトルでは「自民が敗れても」という意味にはならない。「自民敗れども」なら「(民主が)自民を敗れども」以外に読みようがない。平易に「敗れても」とすれば問題はないのに、知りもしない文語表現「〜ども」を誤用して得意気だ。文語なら「自民敗るれども」である。若者のラ抜き言葉を笑えないル抜き文語だ。 誤用の真相は編集部
裁判員裁判のもとで初めての性犯罪事件の判決が青森地裁であり、強盗強姦(ごうかん)罪などに問われた被告に求刑通り懲役15年が言い渡された。性犯罪に厳しい市民感覚を示した判決といえよう。 被害者女性のプライバシーを最大限に保護しながら、審理が進められたが、性犯罪事件の裁判の問題点や課題も浮かび上がった。今後、同種事件の裁判員裁判を定着させるためにも、徹底した検証が必要だろう。 性犯罪裁判は被害者のプライバシーに配慮しながら、真相を解明するという極めて困難な審理を強いられる。最高裁によると、裁判員裁判の対象となる事件は昨年約2300件あったが、このうちの2割を性犯罪が占めた。 性犯罪が裁判員裁判の審理対象となっている以上、被害者のプライバシーを厳格に守りながら、どう審理をすすめていくか、今回の青森地裁の裁判はそのモデルケースになった。 プライバシーを保護するため青森地検は、地裁から送付された裁判
衆院選に向けた論戦で「政治とカネ」は忘れられたのだろうか。 民主党の鳩山由紀夫、小沢一郎の両トップをめぐり政治資金規正法上の問題が相次いで生じたのは、わずかこの半年の間の出来事である。 小沢氏は西松建設の違法献金事件で公設第1秘書が逮捕・起訴され、党代表を降りた。後任の鳩山氏は、自身の個人献金から4年間で2100万円を超える虚偽記載が見つかった。両氏とも、いまだに説明責任を果たしていない。 これらは規正法違反である虚偽記載に対し、民主党が「形式犯」として問題視していないためだが、法規制を破る行為は悪質であるという認識を持たないのは不可解だ。自民党にもいえることだが、自浄能力を示さない政党は国民の政治不信を払拭(ふっしょく)できない。与野党は政治資金の透明化などに正面から向き合う必要がある。 自民、公明両党が発表した与党共通公約には、政治資金収支報告書に虚偽記載をした場合、資金管理団体の代表
学力向上の取り組みが始まったとはいえ、公教育への信頼は揺らいだままだ。教育をどう立て直すか。自民、民主両党とも教育を重視し、教育費の充実や学校環境の整備などを掲げている。 だが教育に対する考え方、教育観には大きな違いがある。民主党の施策には支持母体の日教組の影響も懸念され、教育問題は総選挙の極めて重要な争点である。 マニフェスト(政権公約)で自民、民主両党の政策が分かれたのが、今年度から始まった教員免許更新制への姿勢だ。自民は「着実な実施により質の高い教員を確保する」としたのに対し、民主は「抜本的に見直す」とした。 教員免許の更新は最新の教育課題などについて講習を行い、指導力不足の教師をなくそうという制度だ。日教組は反対してきた。 教師の資質向上は各党一致する課題だ。民主は教員養成課程を6年制にするほか、教員の増員を強調している。しかしダメな教師がいくら増えても学校は良くならない。適切に評
自民党の武部勤元幹事長は15日朝、TBSの番組に出演し、「次期衆院選前に新しい党総裁を選ぶべきだ。新総裁のもとで政策を発表し、国民に信を問うべきだ」と述べ、麻生太郎首相は退陣し、ただちに新総裁を選ぶべきだとの考えを強調した。 そのうえで、武部氏は「失礼な言い方になるが、麻生首相が一番問われているのは徳がないということだ。人を愛する心、謙虚な心、恥を知る心、それから、正しい判断をする心(が問われている)」と強い調子で批判。“ポスト麻生”について「徳性の高い方を選びたい」と語った。 ただ、総裁選の前倒しにつなげるための両院議員総会の開催には、党則35条の規定で党所属国会議員の3分の1(128人)の署名が必要だが、「まだ確保できていない」と説明。総会が開かれない場合、反麻生派の議員らと離党し、新党を作るとの見方が流れていることについても「そのほうがわかりやすいが、そうではない。侃々諤々(かんかん
【石原知事会見詳報】「変に鳩山君、張り切っているね」 (1/5ページ) 2009.6.12 18:02 東京都の石原慎太郎知事は12日の定例会見で、日本郵政の社長人事をめぐり鳩山総務相が辞任した問題について「よく分からないが、変に鳩山君は張り切っているね」と述べた。会見の詳報は以下の通り。 「今日、私から申し上げることはございません。質問を受ける前にね、ちょっとこれ驚いたんだけどね。この間、アメリカでクライバーンの記念のピアノのコンテストで優勝した辻井さん、全盲の、あの人が帰ってきてね、どこの記者だこれ、朝日か、質問してるんだな。メディアの諸君って力もってるよな。要するに会社を背負って。だけどそれは何もそれは諸君がだね、優れた人材であるということの証にはならないんでね、これ、ちょっと無神経というか、傲岸(ごうがん)というかね、生まれたときから目が見えなかったこの人物にこういうこと聞いてる
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