「ニッポニア・ニッポン」の学名を持つトキは江戸時代には北海道から九州まで日本のほぼ全域で生息していました。 しかし、明治以降、羽毛を取るために乱獲されたり、農薬の多用によってエサとなる生き物が減ったりしたことで数が激減し、1952年に国の特別天然記念物に指定されました。 国は最後に生息が確認されていた石川県能登地域や新潟県佐渡市で野生のトキを捕獲し、繁殖を目指しましたが、2003年に最後の1羽が死に、日本生まれのトキは絶滅しました。 その後、中国から贈られたトキの人工繁殖に成功し、佐渡市で繁殖と野生復帰のための放鳥が進められてきました。 環境省によりますと、佐渡市での野生のトキの生息数は去年12月末時点の推定で576羽まで回復し、佐渡市から本州に渡ったトキも確認されましたが、本州で定着するには至っていないということです。 佐渡市で生息できるトキは島の面積が限られるため、およそ640羽程度と
