青森・弘前のリンゴ農家、 木村秋則さんは肥料も農薬も一切使わない。リンゴは病気や害虫が多く、肥料・農薬なしでは栽培が難しいといわれるが、木村さんは10年以上の試行錯誤の末、これに成功した。 カギは自然の森のような土を再現することだった。弘前大の杉山修一教授はこの土には微生物が多く、「土が分解され発酵していい匂いがする」と言う。木村さんも「肥料やった木より元気がいい。元気を超えてる」 リンゴの葉の中にも微生物が入り込んでいて、これが成長力を高め、病害虫への抵抗力を強めているのだ。微生物が植物の内部に入ることで、植物の中で眠っていた遺伝子が働きはじめるのだという。 これがいま注目されている「エンドファイト」。「エンド」は内側、「ファイト」は植物のことで、植物の内部に入り込む微生物という意味。種類が多いので総称である。 これを農業に生かそうという動きもある。茨城大の成澤才彦准教授は全国各地から6