米国のザリガニの仲間(Faxonius limosus)は、自然環境において見られる濃度の抗うつ剤にさらされると行動が大胆になり、捕食される危険性が高まる可能性がある。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK) 人間の治療に使われる抗うつ剤は、川や水路に入れば水生動物にも影響を与える。 6月15日付けで学術誌「Ecosphere」に掲載された論文によると、川で実際に観察される現実的な濃度の抗うつ剤シタロプラム(一般にセレクサの商品名で販売)にさらされたザリガニは、えさを探す時間が大幅に増え、身を隠している時間が減ったという。こうした行動の変化で、ザリガニは捕食者から攻撃されやすくなる可能性があり、また、いずれは河川の生態系に別の影響が及ぶことも考えられる。 「行動が大きく変化したことに驚かされました」と語るのは、論