海外から輸入した牛肉には目に見えないリスクが潜んでいる。にもかかわらず、牛肉の輸入量は増加の一途を辿っている。実際、2017年の牛肉輸入量は57万2000t。前年度から9%増加した。一方で、国産牛の供給量は伸び悩んでいる。 札幌がん検診センター理事兼細胞診センター長の藤田博正医師はこの状況に警鐘を鳴らす。 「米国では成長促進剤として、肥育時の牛に女性ホルモンの一種である『エストロゲン』を投与します。エストロゲンには強い発がん性があり、日本では使用が認められませんが、輸入肉からは大量に検出されます」 藤田医師らは2009年、一般のスーパーで売られていたアメリカ産牛肉と国産牛肉を各30枚以上購入し、赤身と脂身に含まれるエストロゲン濃度を比較した。その結果は驚くべきものだった。 「残留濃度の平均を計測すると、アメリカ産牛肉は国産牛肉より赤身で600倍、脂肪で140倍もエストロゲン濃度が高かった。