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2010年2月14日のブックマーク (2件)

  • 嘘つきの世界 - 蒸散する物語

    物語 | 19:38 | ――私は嘘つきなの。彼女は罪を告白するように、怯えたように、あるいは自嘲するように、いつもそう呟く。もちろん大昔のパラドックスではあるまいし、彼女の言葉すべてが嘘というわけではない。だから彼女が自分を嘘つきだというその言葉も嘘ではないのだが、それがよけいに問題なのかもしれない。彼女がどれだけ自分を嘘つきだといったところで、そう語る彼女の悲しげな眼差しを見てしまうと、ほとんどの人はその言葉こそが嘘で、彼女は当は嘘などつけない、傷つきやすくて正直な人間なのだと思ってしまうらしい。いや、彼女が正直だということはある意味その通りではあるのだが。そんな彼女にぼくは表面だけふざけて言う。――きっとさ、きみのその、いかにも真面目そうな見た目もまずいんだよね。嘘なんてついたことありませんって顔してるもの。――こんな見た目、好きじゃないんだけどね、と彼女も寂しそうに笑う。もっとも

  • ベテルギウスの最期:超新星の兆候とその威力 - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    最近、オリオン座のベテルギウスに関して"刺激的な"タイトルのニュースが流れた。オリオン座は覚えやすく都会でも楽しめる手軽な星座だ。そのオリオンが肩を壊すかもしれないとなれば書かざるを得ない。 重い星の死 天蓋にぶら下がる星々は永遠の存在ではなく、だいたい数百万年から数兆年の寿命で移ろいゆく。ヒトの死が多様であるように、星の死にもまた個性がある。それは体重や組成、相方の有無などによって決まり、静かに冷たくなることもあれば、木っ端微塵に吹き飛ぶこともある。ベテルギウスのような重い星は、超新星と呼ばれる大爆発によって焼死する。爆発の閃光はひとつの銀河に匹敵するほどであり、ベテルギウスのような至近爆発ともなればどのような状況が生じるのか興味は尽きない。そして、爆発はどのくらい差し迫っているのだろう。 どのような超新星を起こすのか ベテルギウスは水素をたっぷり含んだ赤色超巨星なので、もし今爆発するな

    ベテルギウスの最期:超新星の兆候とその威力 - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常