先の党首討論で安倍晋三首相が衆院解散の可能性を否定した。衆参同時選挙に関連付けられていた10月の消費税率引き上げ実施の是非もまた「無風」という情勢だ。 【グラフでみる】企業の景況判断とGDP指標 「どうか予定通り増税させてください」と、平身低頭だった財務省幹部は胸をなでおろしているだろうが、不都合な真実に目を背けている。消費税増税がデフレ圧力を強め、20年以上もの間の慢性デフレからの脱出を困難にする。安倍首相までもがデフレという家に引きこもるのだろうか。 当面の景気情勢は、政府内部ではほかならぬ、財務官僚が最もよく掌握できる。例えば財務省が全国の財務局を動員する「法人企業景気予測調査」を見ればよい。全国、全業種の94万社以上を対象とする大掛かりな調査で、信頼度は日銀の短期経済観測にひけをとらない。 グラフは、4~6月期調査(調査時点は5月15日)の大企業の景況判断BSIと、国内総生産(GD