サムスン電子の崔志成(チェ・チソン)副会長兼CEO(61)がグループ全体を統括する未来戦略室長に就任、後任のCEOは半導体事業などを率いてきた権五鉉(クォン・オヒョン)副会長(59)となった。 今回の人事ももちろん、オーナー会長である李健熙(イ・ゴンヒ)氏(70)の「ひと言」で決まった。サムスングループは、「準備経営」「管理のサムスン」を標榜し、不祥事や急速な業績悪化などを除いて「役員人事は年末か年始の1年に1回だけ」という不文律があった。 サムスン電子など主力企業の業績は依然として絶好調だ。にもかかわらず、どうして突然のCEO人事があったのか。李会長の「危機感知センサー」が稼働したからだ。欧州出張から帰国した李会長が、世界景気の急速な落ち込みを目の当たりにして、体制刷新に踏み切ったようだ。 人事を断行した6月7日という日は、サムスンにとっても李会長にとっても、きわめて重要な日だ。 「家族