山田錦の話は前回で終えたつもりでしたが、こんなニュースが入ってきました。山田錦の超大口需要家である旭酒造が、富士通の「Akisai」と呼ばれるクラウドサービスを使って、栽培技術の「見える化」を推進するというものです(「旭酒造と富士通 食・農クラウド『Akisai』を活用した酒造好適米の栽培技術の見える化を開始」) この事業にかかる金額がどの程度なのか筆者は知りませんが、旭酒造の山田錦確保への全方向的な努力を証明するようなニュースです。 成果や実績が知られていない農業のIT化 しかし筆者は、これを見て2つの意味で「残念だな」と思いました。旭酒造や富士通が悪いと言っているわけではありません。目的を達成するため、現在の技術としては最高峰の仕事をしておられるのでしょうし、実際に役立つシステムでもあるのでしょう。 しかし、こうしたシステムを導入するのは、農家ではありません。この場合も旭酒造ですし、も