先日、急に中国の北方へ行くことになった。教え子の学位審査に招かれてのことで、「○」(博士論文となると「チェック」ではない 第37回参照)か「×」を慎重に書き込む役目となったためなのだが、初めての吉林省は冬の入り口にしてすでに氷点下15度の世界であった。 さて、その長春市内で、ある看板を見掛けた。 「迷你()」(mi2ni3 ミーニー)で「ミニ」(英語mini)、「超市」で「スーパー・マーケット」。発音からの訳語と、意味からの訳語とが連なったもので、「ミニ・スーパー」という意味だ。 この「迷你」といえば、「裙」(qun2 チュン スカート)と熟合した「迷你裙」を思い出す人が少なからずおいでであろう。それが「ミニ・スカート」を意味するものだと聞いた日本人には、「さすが中国の人は、漢字を実にうまく使っている」と、感動する向きがかなりあるようだ。中国の人の「純情さ」に感心することもあったそうだ。中
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