東京電力福島第一原子力発電所事故を契機とした昨年夏の節電で、都市部が郊外より高温になる「ヒートアイランド」が緩和されたとみられることが、三上岳彦・帝京大教授(気候学)らの調査でわかった。 東京都心と関東郊外の気温差が2010年と比べ最大0・67度縮まった。茨城県つくば市で26日に始まる日本気象学会で発表する。 三上教授らは6年前から関東の約200か所で気温を測定。10年7月と11年7月に最低気温26度以上だった都心4地点と、同23・5度以下の郊外10地点を選び、10、11年を比べてヒートアイランドの影響を調べた。 都心と郊外の気温差は、1日平均で2・01度から1・65度になって0・36度縮み、時間帯別では最大0・67度(午後4時)縮まった。特に午後1~5時の時間帯は、10年7月で最大1・5度あった気温差が、11年7月には都心と郊外でほとんどなかった。三上教授は「日射量は11年の方が若干強く