ヒトの赤血球の血液型にはA、B、Oの3種類がありますが、なぜ3種類あるのか?その働きなどは解明されておらず、一般に知られる“性格”との関連性は科学的には全く証明されていません。ヒト赤血球血液型で唯一関連性があるとされているのが、胃がんの主原因であるピロリ菌感染への関与と言われています。 一方で、「白血球の血液型」として知られるHLA(Human Leukocyte Antibody=ヒト白血球抗原)は約16,000種の多型性を有し、多くの役割がある事が分かってきています。HLA遺伝子は、あらゆるゲノムの中で最も多い多型と、非常に複雑なシステムを持つ遺伝子なのです。 HLA研究の歴史 HLAに関する研究の始まりは1960年代に遡ります。臓器を移植する際、免疫反応を起こし拒絶されますが、数百~数千人に一人存在するHLA型が一致したヒトの臓器であれば定着することが分かりました。HLAは当初、移植