正極と負極、電解質のすべてが固体から構成される全固体リチウム電池で、極めて低い電極/電解質界面抵抗を実現するのに、東北大学原子分子材料科学高等研究機構の春田正和(はるた まさかず)助手(現・同志社大学准教授)と白木将(しらき すすむ)講師、一杉太郎(ひとすぎ たろう)准教授らが成功した。電極(コバルト酸リチウム)と電解質(窒素添加リン酸リチウム)からなる高品質な界面を作り、その界面抵抗を、液体電解質を使う場合よりも低く抑えた。全固体リチウム電池の実用化に向けて、課題が解決できる見通しをつけた。3月4日付の米化学会誌Nano Lettersオンライン速報版で発表した。 全固体リチウム電池は、高い安全性とエネルギー密度を両立する次世代の高性能畜電池として期待されている。液体の電解質を用いないため、 液漏れや発火の危険がなく、安全性が高い。しかし、その実用化には課題が多い。特に、電極と電解質の界