毒ガス兵器の製造を行っていたために、一時、地図から消された島がある。瀬戸内海に浮かぶ大久野島(おおくのしま・広島県竹原市)だ。今もなおその遺構が廃墟として残されており、見学することができる。 リゾート地として整備された大久野島 隠蔽され続けた毒ガス製造 瀬戸内海に浮かぶ周囲約4.3km、面積70haの美しい小島が大久野島だ。広島県竹原市にある忠海港から船で約15分。瀬戸内海国立公園内にあるこの島を訪れると、大量のウサギが歓迎してくれる。"ウサギ島"との異名を持つほどで、約300匹も生息しているという。国民休暇村や海水浴場、キャンプ場もあり、自然あふれる国立公園内のリゾート地といった雰囲気で、家族連れが多く訪れる場所となっているのだが、戦時中この島は毒ガス製造拠点だったのである。 島内最大の貯蔵庫だった長浦毒ガス貯蔵庫跡 島にある大久野島毒ガス資料館にはその歴史が詳しく紹介されている。192