マドラ出版 2008年10月 橋本治が「ああでもなく こうでもなく」というとんでもない題名で「広告批評」に連載している時評をまとめた本はいままで5冊刊行されているが、6冊目となる本書は、その最新刊でありかつ最終巻となる。来年3月までで「広告批評」が休刊になるのだそうで、最後まで時評の連載は続けるが、それをまとめて本にするのは今回が最後ということらしい。そのためもあるかと思うが、今までの5冊とは少し肌合いが違う本となっている。なんとなく、しんみりしているというか、素直である。今までのものでは、言っていることは確かにわかるけれど、それで本当のところ一体何を主張したいのだ、といいたくなるようなわかりにくさとわまりくどさがあったが、本巻では、こう書いたのはこういうことがいいたいからだという自己解説が頻繁にみられる。今まで橋本氏の本を読んでいて、これをつきつめると「ラッダイト運動」になってしまうので