20世紀最大の哲学者のひとり、マルティン・ハイデガー。彼が90年前に出版した『存在と時間』は、ハンナ・アーレントら哲学者はじめ、フランスではサルトル、フーコー、ドゥルーズなど「ポストモダン主義」の思想家たちに多大な影響を与えた。また彼の説く「本来性」は日本人の「道」の感覚に通じることから、日本でも大変人気の高い哲学書として読み継がれている。 しかし同書は「難解の書」としての魅力も放っているため、チャレンジしてみたものの意味がわからず途中で断念した方も多いのではないだろうか? なかには「哲学」という言葉のイメージに敷居の高さを感じ、手が伸びずスルーしてしまう方もいるだろう。 このほど轟孝夫氏著した『『存在と時間』入門』は「ハイデガーが本当に言いたかったこと」を10年かけて解明した一冊だ。ハイデガーの説く「存在」とは一体なんなのか?――今回は特別に入門の入門として、誰も解けなかったその「真理」