ロシア北部、バレンツ海に面した小さな町を舞台に、そこで暮らす市井の人々と、権力を傘に土地の買収をもくろむ行政との対立を描いたヒューマンドラマ。罪なき人に襲いかかる抗えない非情の運命に、善と悪、人と神、自然と国家といった普遍的なテーマを力強く脈打たせる。 監督は、デビュー作『父、帰る』でヴェネチア国際映画祭・金獅子賞(グランプリ)、『ヴェラの祈り』『エレナの惑い』ではカンヌ国際映画祭で2作とも賞を受賞し、ロシア映画史にその名を刻むアンドレイ・ズビャギンツェフ。 本作『裁かれるは善人のみ』も2014年・第67回カンヌ国際映画祭で脚本賞、第72回ゴールデングローブ賞で外国語映画賞を受賞した他、世界中の映画祭で26もの賞を受賞した。 あらすじ 海辺の小さな家 明け方、たくさんの船が朽ち果てた静かな入り江。長い橋のすぐ脇に古ぼけた家が建っている。コーリャが祖父の代から住み続けている、温室と彼の仕事場