タグ

ブックマーク / realsound.jp (10)

  • DCPRG『構造と力』リリース20周年 菊地成孔が語る、オルタナティブなグルーヴの現在

    音楽家で現在は音楽ギルド・新音楽制作工房も運営する菊地成孔。彼が率いていたDC/PRG(Date Course Pentagon Royal Garden/当時はDCPRG)による2ndアルバム『構造と力(Structure et Force)』が、2003年9月25日の発売から20周年を迎える。 作の収録曲は前作『アイアンマウンテン報告』と比べ、さらにクロスリズムやポリリズムにフォーカスしており、当時としては律動的かつかなり先鋭的な内容だった。特に当時、4拍子と5拍子が同時に鳴るリズムを踊れる楽曲に落とし込んだのは驚嘆でしかない。 しかし執筆家でもある菊地が膨大なテクストを残した副作用なのか、雑誌カルチャーの衰退が原因なのか、音楽そのものを具体的に語ったインタビューはネット上にほとんどないのが実情だ。そこでリリース20周年を期に『構造と力』の音楽的な回想を依頼。 「5」という数字(ペン

    DCPRG『構造と力』リリース20周年 菊地成孔が語る、オルタナティブなグルーヴの現在
  • 大谷能生×吉田雅史が語る、近年の音楽書の傾向とその可能性 「ファクト重視で念入りに検証した批評が増えている」

    大谷能生×吉田雅史が語る、近年の音楽書の傾向とその可能性 「ファクト重視で念入りに検証した批評が増えている」 音楽に関する書籍が近年、ますますバラエティに富んでいる。2019年に発売されたものだけでも、人文書院からはロックミュージックの歴史を壮大なサーガとして描いた西崎憲『全ロック史』、DU BOOKSからは新たなヒップホップ史観を提示するソーレン・ベイカー『ギャングスター・ラップの歴史 スクーリー・Dからケンドリック・ラマーまで』、リットーミュージックからはプログレッシブ・ロックの歌詞に着目した円堂都司昭『意味も知らずにプログレを語るなかれ』など、多様なテーマ/切り口の音楽書が並ぶ。これらの書籍を並べて俯瞰した時、近年の音楽を巡る言説にはどのような傾向や変化が見られるのか。音楽家であり批評家でもある大谷能生氏と吉田雅史氏が、近年の音楽書について濃密な対談を繰り広げた。なお、最終ページには

    大谷能生×吉田雅史が語る、近年の音楽書の傾向とその可能性 「ファクト重視で念入りに検証した批評が増えている」
  • リズムから考えるJ-POP史 第2回:小室哲哉がリスナーに施した、BPM感覚と16ビートの“教育”

    『TETSUYA KOMURO ARCHIVES "T"』 90年代を、いや80年代以降の日のポップスを代表するミュージシャンでありプロデューサーの小室哲哉。彼の功績を、手がけた作品の売り上げや後続の世代に与えた影響から推し量ることはたやすい。しかし、むしろここで問いたいのは、彼の成功がJ-POPやそのリスナーにどのような影響を与えたかという点だ。坂龍一は、小室がホストを務めるトーク番組に出演した際、しばしば引き合いにだされる次のような発言を小室に向かって投げかけている。 坂 [前略]TMN時代からヒット曲を作ってきて、ある種日人の耳を教育しちゃったとこがあるよね。まあ、僕なんてちょっと困るとこもあるんだけど、あまり教育されちゃうと。あの小室流のメロディー・ラインとか、転調とかアレンジも含めて、そのビート感も含めて、先生として教育しちゃったからね。ある層をね。だからそれに引っ掛かる

    リズムから考えるJ-POP史 第2回:小室哲哉がリスナーに施した、BPM感覚と16ビートの“教育”
  • 柳樂光隆が選ぶ、ジャズミュージシャンが奏でる“まだ名前の付いていない音楽”5選

    現代ジャズの状況を解説するジャズ・ガイド・ブック『Jazz The New Chapter 5』というを出しました。その制作が終わったばかりで、発売されたばかりだけど、USのジャズシーンは相変わらず目まぐるしく動いていて、ロバート・グラスパーやカマシ・ワシントン、サンダーキャット、テラス・マーティンらよりもはるかに年下のミュージシャン達が、彼らが切り開いてきたサウンドを前提にしながら、新しいジャズを模索しています。その結果、素晴らしい新作がリリースされまくり。 柳樂 光隆(監修)『Jazz The New Chapter 5』 ここではの製作直後に出たものや、直後にライブを観てビビったア―ティストを紹介します。カマシ・ワシントンやR+R=NOWに負けず劣らずのジャンルを超えたサウンドばかり。これらもまた「ジャズミュージシャンが奏でるまだ名前の付いてない音楽」であり、2018年以降の音楽

    柳樂光隆が選ぶ、ジャズミュージシャンが奏でる“まだ名前の付いていない音楽”5選
  • 『Free Soul』橋本徹が語る、名物コンピの20年「僕たちの時代のスタンダードを提示したかった 2014.5.3『Free Soul』シリーズ20周年インタビュー(前編)

    レア・グルーヴという概念/ジャンルが生まれて以降、ソウル・ミュージックに慣れ親しんできたリスナーにとって、『Free Soul』シリーズ、あるいはディスクガイド『Suburbia Suite』が打ち出してきた「ソウル・ミュージックとの接し方」はとても大きな軸になっているのではないかと思う。耳触りのメロウさや、そのアーバンな感覚は、それまでソウルに対して抱いていたイメージとは違い、少なくとも(収録された楽曲のリリース)当時を知らない世代にはとても心地よく響き、ある意味“過去のジャンル”として埋没していたソウル・ミュージックと触れ合う入口となったはずだ。 そんなコンピレーション界の金字塔とも言える同シリーズが今年で20周年を迎えるにあたり、その『Free Soul』シリーズのベスト・オブ・ベストとも言える『Ultimate Free Soul Collection』をはじめ、シリーズを象徴する

    『Free Soul』橋本徹が語る、名物コンピの20年「僕たちの時代のスタンダードを提示したかった 2014.5.3『Free Soul』シリーズ20周年インタビュー(前編)
  • 小野寺系の『沈黙ーサイレンスー』評:遠藤周作とスコセッシ監督に共通するキリスト教への問い 

    観客たちが、こわばった表情で、押し黙ったまま劇場を出て行く。感動の涙を搾り取るのではなく、まさに観る者を「沈黙」させてしまうような、荘厳な何かを持った映画なのだと感じる。 作『沈黙ーサイレンスー』は、マーティン・スコセッシ監督が、自身もキリスト教徒でありカトリック文学を研究した遠藤周作の代表作となった、世界中で読み継がれ名作と評価される小説『沈黙』に惹かれ、権利関係で揉めながらも28年間熱望し続けた映画化企画だ。それだけに、内容は最大限に原作小説に忠実なものになっていた。 なぜスコセッシ監督は、これを忠実なかたちで撮らなければならなかったのだろうか。それは、スコセッシ監督が興味を寄せるキリスト教における重大なテーマが扱われているからである。 原作小説は出版された当初、カトリック団体で「禁書」に近い扱いをされてきたという。その背信的とすらいえる過激な宗教観にこそ、この小説の真価が隠されてい

    小野寺系の『沈黙ーサイレンスー』評:遠藤周作とスコセッシ監督に共通するキリスト教への問い 
  • 「シネフィルである事」が、またOKになりつつある 菊地成孔が“ニュー・シネフィル”映画『ハッピーアワー』を分析

    「シネフィルである事」が、またOKになりつつある 菊地成孔が“ニュー・シネフィル”映画『ハッピーアワー』を分析 まあ、どこから観ても問題作(批評は混乱するであろう) 『ハッピーアワー』は、これこそ現代日の作品としか言いようがないです。韓国でこんなことできないというか、できたとしてもホン・サンスしかいないというか。上映時間も長い〔317分〕だけではなく、語るべきことが多過ぎて、たぶん批評も混乱すると思うんですよ。ただ、黙っているわけにはいかない映画でもあるので、いろんな人がいろんな事を言うはず。サブカル系もしくはすごいシネフィルの人が大いに語るということになるのか、あるいはエンタメ系の人も何か言っちゃうのか。 ワタシもそこそこ長く成るので、最初に一言で済ませてしまうと、すごくいい映画なんだけど、1点だけ悪いことがあって、それは「いかにもロカルノで賞を獲りたそうなつくりで、それで実際に獲って

    「シネフィルである事」が、またOKになりつつある 菊地成孔が“ニュー・シネフィル”映画『ハッピーアワー』を分析
  • 菊地成孔が綴る、“教え子”服部峻の音楽的才能「一目で天才であると解った」

    服部峻が、11月13日ファースト・フルアルバム『MOON』をリリースした。映画美学校音楽美学講座の第一期生として15歳で特別入学を許可されるなど、若くしてその才能を評価され注目を集めていた彼であったが、高校卒業と同時に姿を消していた。それから数年後、6曲入りの処女作『UNBORN』(2013年)をリリース。映画音楽製作のため取材旅行で訪れたインドでインスピレーションの構想が膨らみ、今作『MOON』が完成したという。 今回リアルサウンドでは、映画美学校時代に彼が師事していたという菊地成孔氏による紹介文を掲載。作品に関しては、音楽ライター・小野島大氏による新譜キュレーション連載でも触れられているので、こちらもあわせてご覧いただきたい。(編集部) 「ゆったり、のびのびと才能を開花させて行って欲しい」(菊地成孔) 服部君が映画美学校のワタシのクラスに入学して来たとき、それはそれはもう、一人で家に帰

    菊地成孔が綴る、“教え子”服部峻の音楽的才能「一目で天才であると解った」
  • 細野晴臣が“音楽の謎”を語る「説明できない衝撃を受けると、やってみたいと思う」

    世界各地の土地柄と音楽について語り尽くした新著『HOSONO百景』(河出書房新社)の刊行を期に行った細野晴臣へのインタビュー後編。1940年代音楽の”再発見”など、ポピュラー音楽の豊かな鉱脈について語った前編に続き、後編では自身のキャリアを振り返りつつ、リズムに対する考え方や、音楽における"謎”について含蓄あるトークを展開してもらった。聞き手は小野島大氏。(編集部) 「僕がやってきた時代を通して、ずっと少数派でした」 ――文化の継承という点でいえば、この書にも、今の日音楽家はルーツの意識が薄らいでいるんじゃないかということを述べられてますよね(21P)。異文化を受け入れて自分のものにしていくという過程が欠如してるんじゃないか、と。 細野:まあそれも何にも知らないで言ってる意見なんで、実際はどうなんだか。昨日テレビ見てたら、リトル・リチャードに影響受けたような若いバンド…名前忘れちゃった

    細野晴臣が“音楽の謎”を語る「説明できない衝撃を受けると、やってみたいと思う」
  • 再始動するキング・クリムゾン 驚異の初期サウンドは、日本の歌謡界も虜にした

    今回はさきごろ第8期ラインナップでの再始動(なんとメル・コリンズが復帰)を発表したプログレッシブ・ロックの王者キング・クリムゾンをご紹介しましょう。 クリムゾンの中心人物は1946年英国生まれのロバート・フリップ(g)。彼がピーター(b)とマイケル(ds)のジャイルズ兄弟と共に1967年に結成したのがジャイルズ、ジャイルズ&フリップです。ビートルズ的なノヴェルティ・ソングと室内楽的チェンバー・ポップが合体したような音楽性で、アルバム1枚を発表しましたが、大きな反響は得られず。 Giles, Giles & Fripp "Thursday Morning"(1968) ここにフリップの幼なじみのグレッグ・レイク(vo,b)と、イアン・マクドナルド(sax,kbd)、ピート・シンフィールド(作詞、照明)などが加わってクリムゾンの母体ができあがります。1968年末にはフリップ、レイク、マクドナル

    再始動するキング・クリムゾン 驚異の初期サウンドは、日本の歌謡界も虜にした
  • 1