2022年1月31日のブックマーク (7件)

  • The great gig in the sky

    エルヴェ・ル・テリエ『異状』 2020年度ゴンクール賞 「降って湧いたような話」という日語表現がある。これは空からとんでもないものが降ってくるのと地面からとんでもないものが噴き出るのが同時に起こるほどの予期不能な大カタストロフィーの比喩である。超大予算のパニックSF映画を想ってくださって結構だが、現実に昨今頻発する地球上の気候変動大災害はすべて降って湧いたような現象である。で、この2020年ゴンクール賞作品は降って湧いたような小説である。 作者エルヴェ・ル・テリエは私は初めて読む作家であるが、1957年生れ、現在63歳。数学言語学を専攻した全学問オールマイティーの碩学であることは、書のいたるところにその片鱗がちりばめられている。私のような器からはこういう言い方しかできないが、この御仁は何でも知っている。ミクロ/マクロな科学、医学、先端テクノロジー、世界史/世界地理と民俗学、宗教(各教

    The great gig in the sky
  • ガの幼虫の恵み、フルーティーな虫糞茶に 京大院生が普及目指す | 毎日新聞

    葉をべるガの幼虫の糞(ふん)を活用した「虫糞茶(ちゅうふんちゃ)」の普及を目指す、京都大の大学院生がいる。原料となる植物や糞を生産する虫の種類によって茶の味や香りが一変するため、これまでに40通りの組み合わせで茶を試飲し、成分を分析してきた。「桜やリンゴ葉はフルーティーな香り。健康茶の側面もあり、製造に熱処理が不要で環境にも優しい」と商品化に向けて日夜、研究を続けている。 農学研究科修士課程2年の丸岡毅さん(25)=京都市左京区。植物や昆虫を扱う化学生態学の研究室に所属し、先輩の院生が農園から大量に持ち帰ったマイマイガの幼虫を桜の葉で育てていた。2021年5月、試しに乾燥した糞に湯を注いで飲んでみたところ、紅茶のような香りや味がすることに気付き、研究にのめり込んだ。

    ガの幼虫の恵み、フルーティーな虫糞茶に 京大院生が普及目指す | 毎日新聞
  • なぜアニソンが好きなの?/サンダーキャットの場合。 | POPEYE Web | ポパイウェブ

    photo: Aya Muto coordination & translation: Hashim Kotaro Bharoocha text: Katsumi Watanabe 2021年8月 892号初出 ピカチュウカラーのベース、どう?「日のアニソンは世界基準」と、田中公平先生(誌『そもそもアニソンって何だろう?』をチェック!)も話していたけれど、実際どんなものなのか? そんな折、新曲「Dragonball Durag」のMVで『ドラゴンボール』モチーフの服に身を包み、ダンスしながら熱唱するサンダーキャットの姿が飛び込んできた。 「アニメを観るときの定位置」というソファ上の壁には、サンダーが敬愛してやまない『エヴァ』のアスカ・ラングレーのタペストリーが堂々と。初公開の自宅にはやDVDに加え、『ポケモン』と『ドラゴンボール』を中心に、新旧様々なアニメのフィギュアやぬいぐるみ、家

    なぜアニソンが好きなの?/サンダーキャットの場合。 | POPEYE Web | ポパイウェブ
  • フィリア―今 道子 | 神奈川県立近代美術館

    企画概要 写真家・今 道子(こん みちこ 1955- )は、創形美術学校で版画を学び、写真を用いたリトグラフなどで非現実的なイメージを追求するなかで、1980年前後から格的に写真の制作を始めました。市場に並ぶ魚や野菜などの材や、や帽子といった日常的なモノを素材にそれらを組み合わせたオブジェを創り、自然光で撮影して印画紙に焼き付ける独自の手法を用います。その精緻な構成と詩的喚起力に富んだモノクロームの世界は、最初の写真集『EAT』(1987年)以来一貫しており、第16回木村伊兵衛写真賞受賞(1991年)をはじめ、国内外で高い評価を得てきました。 不可思議な関係で結ばれたモノたちが生み出す幻想的なイメージによって、しばしば「異色の作家」として語られる今道子ですが、作家の眼差しにはひとたび断たれた生命に、束の間、魂を吹き込もうとする被写体への愛――フィリアが窺えます。 日の美術館では初め

  • 人間に創られた存在たちの競演『創られた心 AIロボット傑作選』2月上旬刊行! : Web東京創元社マガジン

    2022年01月31日17:00 by 東京創元社 人間に創られた存在たちの競演『創られた心 AIロボット傑作選』2月上旬刊行! カテゴリSF 『創られた心 AIロボット傑作選』カバー 人工的な心や生命。ゴーレム、オートマトン、ロボット、アンドロイド、ボット、人工知能――人間ではないが人間によく似た機械、人間のために注文に応じてつくられた存在というアイディアは、はるか古代よりわたしたちを魅了しつづけてきた。そしていま、その長い歴史に連なる最新のアンソロジーがここに登場する。ケン・リュウ、ピーター・ワッツ、アレステア・レナルズ、ソフィア・サマターをはじめ、書収録作がヒューゴー賞候補となったヴィナ・ジエミン・プラサドら期待の新鋭を含む、今日のSFにおける最高の作家陣による16の物語を収録。 現代においてもっともビビッドな題材のひとつといえる「AI」と「ロボット」。これらをテーマとした待望のア

    人間に創られた存在たちの競演『創られた心 AIロボット傑作選』2月上旬刊行! : Web東京創元社マガジン
  • 【連載】エピグラフ旅日記 第1回|藤本なほ子|創元社note部

    「エピグラフ」とはなんぞや? ──書物をひらいたとき、扉ページの裏側やタイトルの左下などにそっと添えられている短かな(ときに長々とした)引用句。そう、アレです。 おそらくたいていの読者は、さらっと目をとおし、これから始まろうとしている世界の予感をキャッチして、「ではいざ」と視線を移し、文の海に飛びこんでしまう。エピグラフは置き去りにされ、再び顧みられることは少ないかもしれません。 しかしエピグラフは、著者が文には書き入れることのできない思惑や思い入れ、愛憎や怨嗟、読者へのメッセージ……などなどを、多くの場合は他人のテキストを引用することによって、こっそり仕込み、託し、読者へと伝えてくる隠されたコミュニケーションのフィールドです。 つまり、著者が自分の作品をどう見ているかというメタな視線とともに、著者の「ついつい」あふれだしてしまう思いが露呈していることも少なからずある、実はなかなかに興

    【連載】エピグラフ旅日記 第1回|藤本なほ子|創元社note部
  • テクスト止めたテクスト。テクストとメタテクスト(「ぬるめた」の話)|とりとめのない話

    ぬるめた: 2018年からネット絵描きこかむもがニコニコ漫画で“趣味で”連載し始めた作品がプロトタイプとなり、きらら編集部に声をかけられてそのまま読み切り、連載、単行出版までこぎつけた作品。 きらら漫画(美少女漫画。ごちうさとか)の皮をかぶっている――もちろんその魅力は十分ある、その魅力だけでもやっていけそう――けど、核心はメタフィクション漫画。単行最終話で性を表した(プロトタイプからの読者としては嬉しい)。 ニコニコ漫画でのプロトタイプは現在も読める(がメタフィクションの核心に触れる挿話は非公開となった)。とりあえずプロトタイプの#4~#6まで読むとこの作品の魅力は大体わかる。 null-metaでぬるめた。 直訳すると「メタなし」って事になりそうだが、直接否定とかアイロニー的表現は元のものを強く肯定するというのが常識だ。オルタナティブは王道抜きにして存在できない。むしろ王道とべっ

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