葉を食べるガの幼虫の糞(ふん)を活用した「虫糞茶(ちゅうふんちゃ)」の普及を目指す、京都大の大学院生がいる。原料となる植物や糞を生産する虫の種類によって茶の味や香りが一変するため、これまでに40通りの組み合わせで茶を試飲し、成分を分析してきた。「桜やリンゴ葉はフルーティーな香り。健康茶の側面もあり、製造に熱処理が不要で環境にも優しい」と商品化に向けて日夜、研究を続けている。 農学研究科修士課程2年の丸岡毅さん(25)=京都市左京区。植物や昆虫を扱う化学生態学の研究室に所属し、先輩の院生が農園から大量に持ち帰ったマイマイガの幼虫を桜の葉で育てていた。2021年5月、試しに乾燥した糞に湯を注いで飲んでみたところ、紅茶のような香りや味がすることに気付き、研究にのめり込んだ。
滋賀県水産試験場で繁殖させたアメリカナマズの幼魚。体長が40センチ近くあり、もうすぐ成魚になるという=彦根市の県水産試験場で2021年5月14日午前10時59分、庭田学撮影 琵琶湖につながる瀬田川の洗堰(あらいぜき)上流で、繁殖が懸念されていた特定外来生物のアメリカナマズ(チャネルキャットフィッシュ)が、2020年秋以降、1匹も捕獲されていない。滋賀県水産試験場は「駆除が功を奏し、生息数を抑制できている」とみており、琵琶湖でのアメリカナマズ根絶に近づいた可能性がある。ただ、洗堰下流での繁殖は続いており、同試験場は「手を緩めると再び繁殖する」と警戒、調査・駆除を継続し状況を見極めるとしている。 環境省などによると、アメリカナマズは北米原産で、食用として1971年に日本に輸入された。大きいものは1メートルを超えるという。一部地域では今も養殖されている一方、茨城県の霞ケ浦や、京都、大阪両府、奈良
似てても危険。絶対に食べないで――。熊本県は26日、御船保健所管内の女性(43)が、有毒観葉植物「クワズイモ」を誤って食べて食中毒になり、口に激痛を感じて救急搬送されたと発表した。クワズイモは葉がサトイモなどと似ており、各地で誤食の被害が相次いでいる。県は「種類が分からないイモは食べないで」と呼び掛けている。 県によると、女性の家族が23日、近所の農道脇に自生していたものを食用の「タケノコイモ(京芋)」と間違って採取。女性がみそ汁の具として調理し味見をした直後、口の中の激痛と、唇や舌のしびれを感じ、救急搬送された。女性は快方に向かっているが、症状が続いているという。女性はタケノコイモを調理したことがなかった。女性はクワズイモを切っている時から手のかゆみを感じていたという。
愛媛県では50年以上目撃情報がなく県内では絶滅したと思われていた国の特別天然記念物・ニホンカモシカの姿が同県東部の高知県境付近の山中で確認され、生息の可能性が高いことが分かった。野生生物の絶滅危険度をまとめた愛媛県レッドデータブック(RDB、2014年版)では「県内絶滅(EX)」と区分しているが、県は見直しの検討を始める。【木島諒子】 県RDBなどによると、ニホンカモシカはウシ科で頭胴長70~85センチ、体重30〜45キロ。雌雄ともに黒い円すい形の角がある。四国の個体は東北などの個体と比べて小型で毛色が黒いという。環境省が公表しているレッドリストでは、四国地方のカモシカ(ニホンカモシカ)を「絶滅のおそれのある地域個体群」と位置づけている。
■飛ぶ孔雀 山尾悠子(やまお・ゆうこ)さん 文芸春秋・2160円 若くして幻想文学の旗手とうたわれた知る人ぞ知る作家の、8年ぶりとなる連作長編小説。曖昧なイメージの上に徐々にピースが積み重なり、大きな物語世界が築かれていく過程は読んでいて快感だ。 「1 飛ぶ孔雀(くじゃく)」「2 不燃性について」の2部構成。ここは火が燃えにくくなった世界。そんななか1部は、夏の庭園で娘2人による火を運ぶ儀式が行われる。さまざまな人物が出くわしたもの、耳にした言葉が散発的に記され始める。「前編の1部は、徹底して日本のイメージでいった。原風景、子どもの頃の記憶、育った岡山の土地や関西方面で目に触れたあれこれの断片が入っています」 2部は地下世界をさまよっていた男が山頂へ向かう。「完全に架空の世界にする予定が、そこまではいかなかった」。1部と同じ名の人物も登場するが、「つじつまがあったりすることは何もない」とほ
魚好きは要注意 アニサキスにまつわる病【前編】 「アニサキス症が増加」というニュースが最近、さまざまなメディアにあふれています。報道で紹介されているアニサキス症の症例は、「サバを食べて数時間後に激しい腹痛に襲われた。我慢できずに救急病院を受診(たいてい夜中)し、内視鏡でアニサキスという寄生虫を取り除いたらすっきりした」というものです。これは確かにアニサキス症の典型例であり、間違いではありません(注1)。 魚介類の寄生虫が胃や腸の粘膜にかみつく 夜間の救急外来で腹痛を訴える患者さんには通常「夕食に何を食べたか」を尋ねます。下痢がなく、発熱も軽度であれば、魚介類、特にサバを食べなかったかを必ず確認します。これはアニサキス症を念頭に置いているからです。疑いがあれば、内視鏡(胃カメラ)を行います。アニサキスは寄生虫の一種です。アニサキスが寄生した魚介類をヒトが生で食べると、アニサキスが胃の粘膜(注
東京・上野と成田空港を結ぶ京成電鉄(本社・千葉県市川市)の63年前に廃止された地下駅の駅舎や階段が当時のまま残されていることが分かった。毎日新聞の取材を同社が特別に許可し、“タイムカプセル”が開いた。私企業の産業遺構は経済状況の変化で姿を消すのが一般的なため、奇跡的な事例だ。 遺構が確認されたのは東京都台東区の旧・寛永寺坂駅。1933(昭和8)年12月に日暮里−上野公園(現・京成上野)間2.1キロの開通に合わせ、地下区間に開業した。45年6月に日暮里−上野公…
いのうえ・たつお 1954年、大阪市生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科教授(法哲学専攻)。「共生の作法−−会話としての正義」でサントリー学芸賞、「法という企て」で和辻哲郎文化賞を受賞。近著に「リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください」(毎日新聞出版)=石戸諭撮影 「保守派にも護憲派にも戦略的な議論は望めない」−−。日本を代表する法哲学者で、「リベラリズム」をリードする井上達夫さん(61)=東京大大学院教授=は、安保法案の審議が大詰めを迎えている国会の現状をこう喝破する。9条削除論を提唱し、議論を呼んできた論客はいまをどう切るのか。ロングインタビューを3回にわけてお届けする。初回のテーマは「安保法案」。保守派、護憲派の論理を鋭く批判する井上さんの真意を聞いた。【石戸諭/デジタル報道センター】
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