東京都東部と千葉県北西部を結ぶ鉄道「北総線」。1979年から、第三セクターの北総鉄道が運行しているが、開業前に期待されたほど輸送量が伸びず、多額の累積赤字が重くのしかかる状態が続いている。そのため、これまで運賃値上げが何度も行われてきた。 現在、1駅間で最も高いのは290円。これは周辺の私鉄と比べると2倍高い運賃であり、利用者から「高すぎる」と不満の声が上がっている。このような状況のもと、沿線の住民5人が、北総鉄道に対して運賃値下げなどを命じるよう国に求めた訴訟の判決が3月26日、東京地裁で下された。 判決では、運賃の設定に問題は認められないとして、住民らの請求は棄却された。日常生活で利用する鉄道の運賃について争われた訴訟は注目を集めたが、今回の判決をどう評価すべきなのか。行政訴訟に詳しい湯川二朗弁護士に聞いた。 ●「鉄道利用者からすると非常識きわまりない内容」 「判決は、周辺私鉄