「此処(ここ)より下に家を建てるな」――。1933年に起きた「昭和三陸地震」では次の世代への教訓として、いくつかの石碑が残されている。それと同じよように今度は東日本大震災の経験をいかに次の世代へ伝えていくかが課題となる。 東日本大震災から約7ヶ月経った2011年10月8日、岩手県遠野市でシンポジウム「東日本大震災の記録とその活用―311まるごとアーカイブスの目指すもの」が開催された。「311まるごとアーカイブス」(正式名称:東日本大震災・災害復興まるごとデジタルアーカイブ)は、デジタルで被災地の失われた「過去」の記憶を再生し、被災した「現在」と復興に向けた「未来」の映像や資料を記録するとともに、まるごと保管することを目的とするプロジェクトだ。 ■震災の教訓はいつしか忘却される!? シンポジウムの第2部では「データの収集・活用をめぐる課題とアイディア」について議論が行なわた。会場からの質問コ