羽田発の飛行機に乗って鳥取空港まで約1時間40分。そこから国道9号線を自動車で約30分の距離に鳥取県鳥取市鹿野町はある。2004年11月、平成の大合併で鳥取市に編入される以前、鳥取県気高郡鹿野町の人口は約4400人。日本でもっとも人口の少ない鳥取県(約60万人)で、もっとも人口の少ない自治体だった。 鳥取県東部にある鹿野町。大きな地図で見る 鹿野の観光資源は鹿野城跡と鹿野温泉だ。鹿野城は戦国時代、織田勢(羽柴秀吉)の鳥取攻略のとき亀井茲矩が入城、関ヶ原の戦後に近世的な山城として整備され、その子亀井政矩が津和野藩に転封されるまで、亀井家によるまちづくりが進んだ。ほぼ無名の城跡だが、礎石や堀が残っており、城山公園と呼ばれる鹿野城跡一帯は、「山陰の小京都」として知られる津和野ほどではないにしろ、江戸時代の厳かな雰囲気が残っている。旧鹿野町は島根県津和野町とは姉妹都市関係にもあり、作家の童門冬二氏