北朝鮮の核問題をめぐる米朝協議が24日から2日間の日程で、スイス・ジュネーブで開かれる。7月に続く協議の焦点は、昨年11月に北朝鮮が公開したウラン濃縮プログラム(UEP)の扱いだ。北朝鮮にとってウラン型核兵器は「金正恩大将の切り札」である。すでに濃縮活動を開始している北朝鮮に時間を与えれば、いずれは核兵器の量産態勢…という悪夢が現実味を帯びてくる。事態に懸念を深める米国に対し、核取引を仕掛ける金正日総書記の駆け引きは、危険水域に入った。(久保田るり子)悪夢のシナリオ 北朝鮮の別名は「鉱物標本室」。タングステンはじめレアメタル(希少金属)などの埋蔵量が多く、天然ウランは採掘可能な埋蔵量が推定400万トン(韓国統一省、日本原子力産業会議)とされ、北朝鮮は現在、世界で確認されている天然ウラン埋蔵ナンバーワンのオーストラリア(114万トン)を上回る「ウラン大国」なのだ。 その北朝鮮が、ウラン濃縮技