03/06/16 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会会議事録 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 新開発食品調査部会会議事録 1.日時及び場所 平成15年6月16日(月) 午後1時30分〜5時15分 中央合同庁舎5号館19階 専用第24会議室 2.出席委員 池上幸江、池田義雄、井藤英喜、大野泰雄、上野川修一、斎藤衛郎、◎田中平三、 中澤裕之、米谷民雄、和田直江 (注)◎部会長 (参考人) 井上 達 国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター長 菅野 純 安全性生物試験研究センター毒性部長 廣瀬雅雄 安全性生物試験研究センター病理部長 長尾美奈子 共立薬科大学各員教授 富永祐民 あいち健康の森健康科学総合センター長 財団法人愛知県健康づくり振興事業団 3.行政機関出席者 中垣俊郎(基準課長)、尾形強嗣(新開発食品保健対策
花王はエコナについて、特保の取り下げを申請した。この取り下げ申請によって,少なくとも通常の手続きを無視した形で許可の取り消しを行うという事態は回避された。もし,消費者庁が消費者委員会での議論のように食品安全委員会の検討結果を待たず認定取り消しを行っていたら,消費者庁は「消費者保護」の名の下に,科学的知見も法で定められた手続きも無視して強権をふるう機関になるところであった。消費者庁は花王に救われた。*1 福島瑞穂・消費者担当相は「これまで花王側は許可の取り下げはしないと主張してきたが、態度を改めた。消費者庁と消費者委員会が動かなければ、こうはならなかった」と発言しているらしい。これは消費者庁と消費者委員会が動けばどんな圧力でもかけられるといっているような物だ。こと,食品に関しては何か問題があるとマスコミ等が過剰に反応し,過度のバッシングが生じたり,誤った対応が取られてきた経緯がある。例えば健
これはひどい、としか言いようがない。 消費者委員会の7日の会議だ。ぜひ、日経BP Food Scienceの森田満樹さんの連載「目指せ! リスコミ道」をお読みいただきたい。当日の審議の模様が詳細にリポートされている。議事録がまだ出ていない中での貴重な記録だ。森田さんのことだから、間違いはないはずだ。Food Scienceは有料サイトで月500円。だが、このリポートを読むだけでも十分に価値がある。それくらいすごい審議内容だ。 私は残念ながら所用で傍聴に行けなかったのだが、森田さん、さすがです。素早いリポートを、ありがとう。今回は、このリポートを引用しつつ、論を進めたい。 会議ではエコナの問題が取り上げられていて、特定保健用食品(トクホ)の認可について検討されている。だが、多くの委員がジアシルグリセロール(DAG)とグリシドール脂肪酸エステルという二つの問題があることを分かっていない。ごっち
両方の意見を同等に尊重することではなくて,なるべくバイアスをかけずに両方の意見を吟味しようという心がけのことだと思う今日この頃。 明らかに間違っていたり誤解しているだけの意見Aを,傍証まで含めてきちんと議論されている意見Bと等価に扱うのは,意見Aに対して大きなポジティブバイアスをかけている,つまりかなりひいき目に見ているのといっしょではなかろうか,と。 公平とか平等というのは結果を等価にするのではなくて,結果にいたるまでの評価によけいなバイアスをかけずに行うことのはず。明らかに劣っている一方を,勝っているはずの他方と同等に高く評価するのは,公平でも平等でも何でもないわけです。 ところが「自分は中立です」と宣言し,そうあろうとする人ほど「結果の平等の落とし穴」にはまっている人が多い気がするのは,気のせいでしょうか。 エコナ絡みでそんなことを思ったわけですが,なんか私のブログはそういう罠と戦い
いろいろあって心が折れかかったんですが,単なる娯楽のために悪者にされたのでは関係者はさぞ無念だろう,と言う思いで引き続き更新をすることにしました。 長すぎる文章ばかりで,みなさんの読む気は確実になくなるだろうとは思いつつ,自己満足だけで続けます。 今回も当然2009年9月2日に開催された「食品安全委員会新開発食品(第63回)・添加物(第76回)合同専門調査会」において提出された資料1:「高濃度にジアシルグリセロールを含む食品の安全性について」 -中間取りまとめ-(案)[PDF]の内容を解説する形で話を進めることにします。 さて,前回は「ジアシルグリセロールの発がんプロモーション作用に関する研究(試験A)」(p.15)の説明をしました。この研究と同時期に行われたのが,「ジアシルグリセロール(DAG)の大腸がん促進作用試験(試験B)」(p.18)と「DAG油の中期多臓器発がん性試験(試験C)」
さて,お約束していたDAGの話です。 どういう話のしかたでまとめようかと思いましたが,基本的に2009年9月2日に開催された「食品安全委員会新開発食品(第63回)・添加物(第76回)合同専門調査会」において提出された資料1:「高濃度にジアシルグリセロールを含む食品の安全性について」 -中間取りまとめ-(案)[PDF]の内容を解説する形で話を進めることにします。 こういう進め方をすると不満を持つ方がいるかもしれませんが,ここに示されている一連の研究についてのまとめ以上に,詳細な研究群は私には見つけられませんでしたので,ご勘弁ください。もし,他にもっと良い研究群があれば,ご紹介いただければと思います。 さて,この資料ですがPDFを開いて見た方ならわかる通り,ものすごい勢いで訂正やら意見やらが入りまくってます。そもそも中間とりまとめだからしかたがないのですが,読みにくいことこの上ないわけです。た
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時間がなく、非常に粗い原稿をすっ飛ばして書いている、という前提で、お読みください。とても長いです。 さて。 エコナの問題は、二つの事柄がごちゃごちゃになって語られていて、混乱を来しているように思うのだ。 (1)発がん物質への対応 食品中に含まれていて、これまでも普通に食べていた数々の物質の中に、体内で発がん性に変わる可能性のあるものがあった。それが、今回の場合はグリシドール脂肪酸エステル。食品中の物質は、調べようと意図して測定してみてはじめて、その物質が存在するかどうか、どのくらい含まれているかどうかが分かる。これまでは、だれも調べていなかったけれど、ドイツでの研究によって食用油中に存在することが確認された。今でも、定量法は確立していないし、体内で発がん性があるとされるグリシドールにどれくらいの割合でなるか、発がん性はどれくらいの強さなのか、よくわかっていない。 こういうことはよくある。ア
花王のエコナが問題になっている。発がん性の疑いのある材料がどうのこうの、とのこと。「商品は安全だが、安心のために発売をやめる」という話は花王のホームページを見てもちょっとわかりにくい。 エコナはおなかに脂肪が付きにくい油ということで人気になり、マヨネーズやシーチキンなど各種の加工食品にまで使われている。洗剤屋の花王にとって機能性という切り口で食品市場に参入できることになった画期的な商品でもある。またここ数年の“トクホブーム”の中心的な商品でもあったと思う。 花王は売らんかな、というタイプの会社ではなく、慎重で消費者目線に敏感な企業だと思う。その企業の目玉商品がこうなんだから、いったい世の中の「健康食品」がどのくらい怪しいものなのか、この事件から学ぶことができるってもんだ。 ここ1,2年、国家が個人のおなか周りを測ると言い出したあたりから、多くの人が健康に敏感になり、健康食品、機能性商品やダ
拍手コメントでリクエストをいただきました。 今回、エコナが発売自粛しましたよね。発がん性の恐れのある「グリシドール脂肪酸エステル」か基準より多く含まれているとのことで・・。この件をとりあげてください(T_T) トクホマークがついてたのに、こんなのって・・。使ってたのに、ショックです。今からやめても間に合うでしょうか>< 結構話題になっているようですね。 私も新聞報道では知っていたのですが「花王も大変だねぇ」くらいの軽い感想しか抱きませんでした。なので,リクエストをいただいて検索してみたら意外と,というか予想以上に軽いパニック状態になっている方がいることに驚いてしまいました。 いつものようにこの後長い話が続きますので,結論だけ先に列挙します。 1. 今からエコナの使用を中止しても十分に間に合います。 2. 今回問題になっているグリシドールに対する感受性がずば抜けて強い体質のヒトでない限り,エ
もちろん普通の菜種とか大豆油とかが天然の油であり体内で正常にリパーゼ酵素によって分解され体内で合成されたり燃焼してエネルギーになったりします。油は本来グリセリンと言うアルコールに脂肪酸が三つくっついてエステル結合をしたトリグリセライドと言う形なのです、しかし花王さんのエコナは、大豆油を原料に、酵素で脂肪酸を人為的に1個とって2個しかくっついていません。その形のものが100gの中に80gも入っているようです。1個しかくっついていないのがご存知乳化剤のモノグリセライドと言う油と水を混ぜる物質です。その脂肪酸が1個とか2個形のものは厳密には油とは呼べません。乳化剤なのです。食品化学では脂肪酸が2個くっついたものはジクリセライド脂肪酸エステルと言います。モノグリセライドとかジクリセライドは乳化剤と呼んだ方が正しい呼び方でしょう。体に良い油とか言う触れ込みで乳化剤を食べさせられていたのですよ。そんな
9月19 エコナの件 ※この項目に関して、計算の根拠となった数値が間違っているというご指摘をいただきました(コメント12参照)。筆者は37.5mg/kgというのを単純にガンを発生した最低投与量と思いこんでいたのですが、資料を詳しく読んだところそういう解釈ではまずいようです。 種々の動物試験によって、エコナ自体に発ガン性がないことは確認されています。また、グリシドールが発生するという証拠はなく、その安定性も低いことから、事実上安全性に問題はないだろうという筆者の見解は変わりません。ただし、本文中にある一升瓶27本うんぬんの数値に関しては取り下げさせていただきます。謹んでお詫び申し上げます。 ================= これまで、人間を最もたくさん殺した動物は何か?それはクマでもトラでも毒ヘビでもなく、ニワトリだという説があるのだそうです。何のことかというと、鶏卵に含まれるコレステロー
農業では欠かすことのできない肥料ですが、排泄物を用いた「下肥」は衛生的な面から食糧には使いにくい部分があるため、化学合成された肥料のほうが効率が良いとされてきました。 しかしフィンランドの研究者チームによると、トマトの栽培において人間の尿を利用した肥料は安全で、味や栄養量も化学肥料のものと同等、生産量においても匹敵することが分かりました。 詳細は以下。 Sustainable fertilizer: Urine and wood ash produce large harvest フィンランドのクオピオ大学の研究者グループは、2007年から2008年にかけて人間の尿を採取し摂氏約7度で半年間保存、有害な微生物やバクテリアの有無をチェックした後、木の灰と混交したものをトマトの肥料として利用しました。 その結果、肥料を利用しなかったトマトと比べて4.2倍、化学肥料を用いたものと比べても同等量の
8月は例年、1年でもっとも暇な時期だ。今年は「集中して原稿を書くぞ」のはずが、エコ生活挫折により、大混乱だった。下旬から出張再開となり、岩手、北海道、島根、長野、仙台と点々。行く先々で「エアコンつきましたか?」と尋ねられ、穴があったら入りたいとはこのことか。 皆さんの予想通り、「つけてよかった」と思ったのは1週間ぐらい。その後は涼しくなり、ふと気づいた時にはもう夜にはセミが鳴かなくなっていた。 とはいえ、セミは今も日中は頑張って鳴いている。本当にご心配をおかけしました。ありがとうございました。 さて、9月11日に食品安全委員会プリオン専門調査会が開かれ、傍聴してきた。前回から約4カ月ぶりの開催。座長の吉川泰弘・東京大学大学院教授の食品安全委員会委員人事が国会で不同意となり、吉川先生は一時は、プリオン専門調査会の座長辞任を委員会に申し出ていたのだが、無事に復帰となった。 吉川先生はいつも通り
2009-08-25 ■ EurekAlert(http://www.eurekalert.org/)より 2009-08-25 低炭水化物ダイエットはアテローム性動脈硬化と血管成長不全に関連するかもしれない 論文 Low-carb diets linked to atherosclerosis and impaired blood vessel growth 24-Aug-2009 http://www.eurekalert.org/pub_releases/2009-08/bidm-ldl082109.php 人気のあるダイエット法が身体の回復能力に悪影響を与えるかもしれない 低炭水化物食の長期影… 2009-08-25 新しい研究:砂糖代用品使用が長期体重コントロールを助ける 論文 New research: Consumption of sugar substitutes assi
交雑個体のでき方 遺伝子組み換えセイヨウナタネが在来ナタネと交雑したとみられる個体を、環境省が国内で初めて確認した。ナタネの輸入港や輸送路を対象とした昨年の調査で、三重県松阪市の河川敷から採取した個体を分析してわかった。 遺伝子組み換えで作られ、特定の除草剤をまいても枯れなくした除草剤耐性ナタネは、年間200万トン程度輸入されるナタネの8割ほどを占める。これがこぼれて、港周辺などで自生していることは5年前から確認されてきた。 環境省が在来ナタネと思われる個体を分析したところ、組み換えナタネの特徴である除草剤耐性に関係するたんぱく質が検出された。その種子から育てた芽にも除草剤耐性を示すものがあり、染色体数が29本で、在来ナタネ(20本)と組み換えナタネ(38本)の中間だったことから、交雑によると考えられた。 環境省外来生物対策室は、「組み換えナタネの利用承認の際に交雑の可能性は予想さ
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